[背景]
12の特異震源の3番目、伊豆大島周辺にある#12-3について、同エリアのM6以上の震源を気象庁有感地震データベースから抽出、解析することにより幾何的特徴を見出し、その物理的意味を検討する。
[データ範囲と震源データ(M6以上)]
気象庁データ(1919/01-2026/01)における伊豆大島近海の全震源を含む矩形エリアからM6以上を抽出。IZ6-1~IZ6-11の11震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-3も含まれている。
当該領域設定の下では、各震源系列を近似する回帰直線群において、傾きおよび切片のメタ相関が1となるが、その傾きおよび切片から導出される幾何的中心と特異震源との位置関係、および回帰直線群の幾何的特徴有無を確認した。
更には震源群の発生日時とその他のパラメータとの相関も確認した。
[M6以上震源リスト]
気象庁データ(1919/01-2026/01)から伊豆大島近海の矩形エリアから抽出したM6以上の地震IZ6-1~IZ6-11は以下のリストの通り。場合により#1~#11と略記。
[M6以上の震源推移]
下の図1に示すようにIZ6-1~IZ6-6までは左手周り方向に推移(IZ6-1とIZ6-2は同一震源)、IZ6-6~IZ6-11では反転して右手周りに推移しており、IZ6-6が反転ポイントになっているように見える。IZ6-5とIZ6-8は12の特異震源#SP12-3の段数1段目(M6.1)と2段目(M7.0)である。IZ6-2(IZ6-1と同一震源で規模はIZ6-1での初期値に次ぐ)を除き、IZ6-6~IZ6-11は各震源グリッドでの1~3段目の初期値。
4本の相関式と相関係数は以下の通り。
L1 : y = 0.6276x - 52.621 R² = 0.9983 (IZ6-4/IZ6-8/IZ6-10)
L2 : y = -0.7267x + 135.94 R² = 0.9999 (IZ6-5/IZ6-9/IZ6-10)
L3 : y = 0.0491x + 27.931 R² = 0.9855 (IZ6-6/IZ6-8/IZ6-10)
L4: y = 0.7746x - 73.092 R² = 0.9968 (IZ6-8/IZ6-10/IZ6-11)
これら4本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式 y = -139.53x + 34.875の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GC(139.53, 34.875)が得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ10本の線分群(IZ6-1/IZ6-2は同一震源のため、実質9本の線分群)から得られる幾何的中心をGC(all)、とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した
4相関式から算出 GC (139.23, 34.762)
10本の線分群から算出 GC(all) (139.53, 34.875)
その結果、幾何的中心GCはIZ6-10とほぼ一致(L1~L4は各震源群に全てIZ6-10を含んでいるため、ごく自然な結果と思われる)、GC(all)は左手周りから右手周りの反転ポイントIZ6-6と最終震源IZ6-11とのほぼ中点付近に位置している。図3にIZ6-6とZ6-11を結ぶ点線および中点、IZ6-1とZ6-6を結ぶ点線および中点を追加した。
GC算出の元となっている4本の相関式L1~L4は全て12の特異震源の一つSP12-3の1段目(IZ6-5)あるいはこの震源域最大のM7.0である2段目(IZ6-8)を含んでおり、この震源域の中心的存在となっている。震源深さも0kmであり、特異点としての特徴を備えている。
GC~IZ6-8間 1.9km 角度74.2度
GC~IZU-10間 IZU-10はGCから真東に0.15km
[M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーターとの相関]
下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。
M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。L3では日時vs北緯との相関係数1が得られている。
L1…IZ6-8/IZ6-10により相関係数は0.9983と高いが、相関直線数が少ないので採用した。深さvs東経差ΔEもIZ6-4とIZ6-8の深さが0kmで同じ。
L3…l1同様にIZ6-8/IZ6-10により相関係数は0.9855と高目だが、相関直線数が少ないので採用した。日時 vs 東経の相関係数が1の高い相関が得られている。3つの震源がいずれもM7の特定震源IZ6-8以降である事が影響している可能性あり。
[まとめ]
今回の地震データも震源間の幾何学的・数理的な拘束性を見出せ、自然現象のランダムさを超えたシステム的な構造を強く示唆している。
GC(all)近くのIZ6-1~IZ6-4から離れた位置に特定震源#SP12-3の1段目であるIZ6-5に推移、GC(all)から見て反対側のIZ6-6でそれまでの左手回りから右手周りに反転、以降でGC寄りで推移。GC近くの特定震源#SP12-3の2段目であるIZ6-8でこのエリア最大のM7でエネルギーを震源深さ0kmで放出。次のIZ6-9~IZ6-10は相関係数0.9999のL2に沿ってIZ6-5に向かって推移。IZ6-10までで0~24kmの浅い震源での活動は一段落し、4つの相関直線(L1〜L4)はIZ6-10を含んで集約されている。最後のIZ6-11は震源深さ156kmでM6以上の活動を締めくくっている。反転以降のL3(IZ6-6、IZ6-8、IZ6-10)は相関係数1で時間的に以降での推移を支配しているように見えている。
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