Wednesday, May 13, 2026

#SP12-6 茨城県沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

  [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で6番目の茨城県沖の震源#SP12-6に関連して、マクロ的な震源域である茨城県沖を囲む矩形エリアでのM6.7以上の解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。また、その手法としての震源位置・深さ・マグネチュードから得られる幾何的解析の信頼性についても検証を進めている。

[データ範囲と震源データ(M6.7以上)]

気象庁データ(1919/01-2026/01)における浦河沖の全震源を含む矩形エリアからM6.7以上を抽出。#IB-1~#IB6-16の16震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-6 (#IB-11)の3段目初期値M7.0も含まれる。


[M6.7以上の震源推移]

下の図1に示すように#IB1~#IB4まで進行方向に対して反時計回り、#IB-4で変曲して折り返し、#IB4~#IB8まで再び反時計回り、さらに折り返して#IB8~#IB13まで反時計回り。東日本大震災M9.0の直後から当日の#IB13~#IB15は反転して時計回り。そのうち、#IB13から#IB14は#IB8~#IB9に平行に逆行している。M9.0翌日のIB-16は線分#IB-3/#IB-4に沿って変曲して推移。

[M6.7以上の震源間相関直線と幾何的中心]

震源間の高相関直線群L1~L11および幾何的中心GC、GC(all)、GC(all)0を下図の図2に追加した。

各幾何的中心は複数の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式の傾きと切片から得られる座標。GCはL1~L11から得られる座標、GC(all)は時系列に連続した2つの震源を結ぶ15本の線分群から得られる座標で、本エリア最大のIB13のM7.6直前のIB12までのGC(all)をGC(all)0とする。


震源間の高相関式と相関係数は以下の通り。
L1 (IB1/IB3/IB9) y = -5.657x + 836.29 R² = 0.9999
L2 (IB1/IB8/IB15)   y = 1.04x - 111.21  R² = 0.9997
L3 (IB2/IB6/IB9) y = 2.6948x - 344.89 R² = 0.9994
L4 (IB3/IB4/IB15)   y = -0.8007x + 149.63 R² = 1
L5 (IB4/IB6/IB16)   y = -1.4051x + 235.57 R² = 1
L6 (IB5/IB13/IB14)  y = 0.5502x - 41.603 R² = 0.9995
L7 (IB8/IB12/IB14) y = 0.7588x - 71.221  R² = 1
L8 (IB9/IB11/IB12) y = -0.1165x + 52.724 R² = 0.995
L9 (IB9/IB10/IB15/IB16) y = -0.3321x + 83.221 R² = 0.9973
L10 (IB11/IB13/IB15) y = 0.0891x + 23.536 R² = 0.9909
L11 (IB5/IB11/IB16) y = -2.4469x + 383.52 R² = 0.9996

各幾何的中心の座標は以下の通り。
 L1~L11から算出  GC   (141.51, 36.305)
 IB1~B16から算出    GC(all)  (141.51, 36.37)
 IB1~B12から算出    GC(all)0  (141.5, 36.447)
GC(all)0からGC(all)のほぼ延長線上にGCはあり、M6.7以降でGC(all)はGCに近付きつつある。

[M6.7以上の震源間相関直線L1~L11におけるパラメーターとの相関]
下表のようにパラメーターとして、一つ前の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。
M6.7以上の震源間相関直線L1~L11におけるパラメーター間の相関高めの相関図(東経 vs 北緯 以外)を以下に抜粋した。ただし、L9では4震源中で特定の震源間のみで高相関の場合があり、抜粋された震源間での高相関のみ表示した。

L1(IB1/IB3/IB9)…東経 vs 北緯の0.9999の高相関係数のみ。

L2(IB1/IB8/IB15)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関


L3(IB2/IB6/IB9)…東経 vs 北緯の他、日時 vs深さでも高相関L4(IB3/IB4/IB15) …東経 vs 北緯の相関係数1の高相関係数のみ。


L4(IB3/IB4/IB15)…東経 vs 北緯の相関係数1の高相関係数のみ。

L5(IB4/IB6/IB16)…東経 vs 北緯の相関係数1の他、日時 vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関。


L6(IB5/IB13/IB14)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関。ただし、IB13とIB14が近接。


L7(IB8/IB12/IB14)…東経 vs 北緯の相関係数1の高相関係数のみ。

L8(IB9/IB11/IB12)…東経 vs 北緯の相関係数0.9950でやや低め。

L9(IB9/IB10/IB15/IB16)…4震源の高相関直線。4震源では東経 vs 北緯のみ高相関だが、3震源では組合わせにより東経 vs 東経差 ΔE、あるいは東経差 ΔE vs 北緯差 ΔN・北緯差 ΔN vs 線分傾きΔN/ΔE・東経差 ΔE vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関。ただし、後者は2震源近接による可能性あり。






L10(IB11/IB13/IB15)…東経 vs 北緯の他、北緯 vs 深さ でも高相関。


L11(IB5/IB11/IB16)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経/北緯、東経差 ΔE vs 北緯差 ΔNでも高相関。




[震源間相関直線群と傾き]

震源間相関直線L1~L11の東経に対する傾きは以下の通り。
L1 (IB1/IB3IB9) y = -5.657x + 836.29  -80.0°
L2 (IB1/IB8/IB15) y = 1.04x - 111.21   46.1°
L3 (IB2/IB6/IB9) y = 2.6948x - 344.89   69.6°
L4 (IB3/IB4/IB15) y = -0.8007x + 149.63    -38.7°
L5 (IB4/IB6/IB16) y = -1.4051x + 235.57    -54.6°
L6 (IB5/IB13/IB14) y = 0.5502x - 41.603   28.8°
L7 (IB8/IB12/IB14) y = 0.7588x - 71.221   37.2°
L8 (IB9/IB11/IB12) y = -0.1165x + 52.724   -6.6°
L9 (IB9/IB10/IB15/IB16) y = -0.3321x + 83.221 -18.4°
L10 (IB11/IB13/IB15) y = 0.0891x + 23.536    5.1°
L11 (IB5/IB11/IB16)  y = -2.4469x + 383.52 -67.8°

今回、これに加え、IB1~IB16からの全ての2震源の組み合わせにおける線分の角度を計算した。

[各震源の幾何的推移]

1. IB1 → IB2
推移: M7.1発生の約3時間後にM6.7発生。深さ36kmから67kmへ急降下。推移角度は140°および南東40°。
2. IB2 →L4(IB3/IB4)
推移: 約1年後、67kmから0kmの地表(IB3, M7.2)へ到達。約6時間後に同じL4上で11km(IB4, M6.8)へ。反時計回り。
3. IB4 → IB5
推移: 約10日後、11kmから再び0km(IB5, M6.7)へ。推移角度約118°。L6(約29°)やIB8/IB9(約30°)と直交。
4. IB5 → IB7
推移: 反時計回りの継続。0km → 30km → 0km(IB7)。緩やかな曲がり角で推移。
5. IB7 → IB9
推移: 0kmからIB8(7km)、IB9(9km)へ東西推移。IB3→IB8の反時計回りの震源群はL6以北の浅部に集中。IB8/IB9(約30°)はL6(約29°)とほぼ平行。
6. IB9 → IB10
推移: L6平行線上の浅い震源IB9(9km)から、L6の壁を突き抜けてL9上のIB10(48km)へ約18年を要す。同時に反時計回りから時計回りへ反転。IB9は4本のラインが交差するハブ。
7. IB10 → IB11
推移: L6と平行な線分IB1/IB11(約29°)上へ浅い角度(約16°)で合流(差分約13°)。48kmから30kmへ約21年かけて推移。規模はM6.8からM7.0へ微増。
8. IB11 → IB12
推移: 4本の震源間相関直線の集中するハブIB9に向けてL8上を推移し、L7との交点(IB12, 51km, M7.0)へ。IB12はL7/L8の交点であるだけでなく、L4も付近を通っており、2本のハブより3本のハブに近い。約26年後。
9. IB12 → IB13
推移:L6(約29°)に浅い角度(約17°)で合流(差分約12°)、51kmから43kmへ浅部方向へ推移。東日本大震災直後に発生し、エリア最大値のM7.6(IB13)。
10. IB13 → IB16
推移: IB13直後に時計回りでL6上をIB14へ。その後、4本の震源間相関直線の集中するハブIB15を経由し、L9上の3直線のハブ交点IB16に至る。

[震源群の主要幾何的構造]

震源群の主要幾何的構造を図4に示す。

震源のうち、11km以浅の震源群(IB3~IB5/IB7~IB9)を青塗りつぶし、L6に平行な震源ライン群(約29°)および垂直な震源ラインIB4/IB5(約118°)を緑の線、L4を底辺として共有する2つの長方形を茶の線で表記。2つの長方形はIB3/IB6/IB15を共有しており、1つはL5を対角線、L4を底辺として共有、4つの頂点のうちのIB3/IB4/IB6を有る長方形。もう一つはL4と底辺を共有、IB3/IB14/IB15を頂点として有し、残る頂点はIB7を通り、L6と平行な線上にある長方形。L4~L6以外の直線群は煩雑さを避けるために表記を省略したが、4本の震源間相関直線が交差するハブIB9はL6に隣接して平行な震源ラインIB8/IB9を含み、もう1つの4本のハブIB15は2つの長方形が重なるL4上に位置している。


[震源間の幾何的推移に対するメカニズム推論]

図4の幾何的構造も参考にして、震源間の幾何的推移に対するメカニズムを以下に推論した。

1. IB1 → IB2(誘発された深層推移)
メカニズム推論: 関東地震の直前という極限化する広域ストレス下において、M7.1が誘発。最も抵抗の少ない深部方向へ約3時間という短時間で一気に引き裂かれた「垂直方向の初期破壊」。

2. IB2 → L4(IB3/IB4)(開放端への到達と経路屈曲)
メカニズム推論: IB2や関東地震後の約1年後、 IB2で深部に到達した圧力が、今度は「開放端(地表)」で開放。地表付近でのIB3でのエネルギー放出の反作用(跳ね返り)によって経路が屈曲し、IB4という「今後の浅部活動の起点」となる重要なハブと2つの長方形と底辺を共有するL4が形成。

3. IB4 → IB5(X字骨格:主せん断面の形成)
メカニズム推論: L6(約29°)などの「北東-南西」の断層面に対し、ほぼ直交する「北北西-東南東(118°)」の断層面が動いたことで、このブロック全体の破壊法則(X字の共役断層)が確定。のちの最大地震IB13(M7.6)の土台がここに形成。

4. IB5 → IB7(浅部エネルギーパスの定着)
メカニズム推論: 主せん断面、およびL4と平行なIB5/IB6の形成により、2つの長方形のうち、浅い震源IB3/IB4/IB5を含む長方形の1つで対向する辺が形成されたことで、地表(0km)付近に恒常的なエネルギーの「逃げ道」が形成。

5. IB7 → IB9(「L6の壁」による北側トラップ)
メカニズム推論: L6(すでにIB5で一部活動の主せん断面)が、南側の深部への「強固な壁」と機能。そのため、エネルギーはL6の北側に隣接の浅部(10km以浅)を平行にスライド(反時計回り)を強いられ、その滞留が進行。

6. IB9 → IB10(壁の突破と深部への還流)
メカニズム推論: 浅部(北側)で飽和したエネルギーが、結節点であるIB9の脆弱性を突いて「L6の壁」を抜け、南側の深部へ進出。回転方向が時計回りに反転したことは、応力が「X字のもう片面」へ乗換(相転移)したことを強く示唆。

7. IB10 → IB11(壁に沿った深部での伸長と頭打ち)
メカニズム推論: L6の壁を南側に越えた後、L6に平行な線分IB1/IB11に想定される同様の壁によって直進が阻まれ、エネルギーは壁に沿ってゆっくりと這うように伸長。これらの「幾何学的な制約」が、長期間にわたって規模がM7.0で頭打ちになった最大要因の可能性。また、同時にエネルギーの緩やかな蓄積がIB13での12の特異震源の3段目に至る要因にもなっていたと推測。

8. IB11 → IB12(次なるM7越えへのセットアップ)
メカニズム推論: L6に回帰の壁に沿った応力の蓄積がL4との交点で限界点(深い51km地点での結節点)に到達。L6とL4という主要ラインが交差、2つの長方形が重複する辺上におけるこの位置は、これまでの応力が集中しており、浅い震源へのバイパスとしての長方形の辺上に位置するIB12はM7越えへのトリガーとしての存在となったと推測。

9. IB12 → IB13(外部トリガーによる最大破壊)
メカニズム推論: 長年L6およびそれに平行な壁に阻まれて蓄積されていたエネルギーが、3.11の超広域的な地殻変動によってM7越えの最終トリガーとして機能。X字の主せん断面(L6)そのものが大規模に滑りにより、エリア最大値のM7.6(IB13)が発生。

10. IB13 → IB16(幾何学的なロック状態への収束)
メカニズム推論: 最大破壊(IB13)後、残留した応力が、IB13/IB14の震源により、残る1つの長方形の頂点4つのうち、3つまでを確定させ、2つの長方形枠組みを完成させた(残る1頂点はL6に平行な浅い震源IB7を通る震源ラインにより潜在的に存在)。この幾何的な完成が「幾何学的にロックされた準安定状態」にあることを示唆。2011年のIB16の発生以来、M6.7以上の地震の発生が停止状態にある。

[3次元主成分分析(PCA)によるメカニズム推論]
Geminiによる3次元主成分分析(PCA)による演算の結果、第1・第2主成分で分散の90%を説明可(未検証)できることは、IB1〜IB16の震源群が偶然の産物ではなく、太平洋プレート上面という「たった一枚の傾いた板」の上で起きた一連の破壊現象である事を示唆。

以下にこの24.0度のフィッティング平面(スラブ上面)と、各震源の深さ、および震源ラインの整合性について整理した。

1. スラブ傾斜方向と深さの整合性
茨城県沖のスラブ(太平洋プレート)は、「東南東(海溝側)から西北西(陸側)」に向かっての沈み込みであり、PCA算出された24.0度の平面において、各震源の深さとこの地理的配置との整合性を確認した。

震源ライン(L1〜L11)と平面の対応性
「震源ライン」は、この24.0度に傾いた巨大な面上に刻まれた「亀裂のネットワーク」と推測。

① 主せん断面 L6 (IB5/IB13/IB14) の役割
L6は平面上を斜めに走る「主軸」。

幾何学的対応: L6は、0km(IB5)から43km(IB13)を経て25km(IB14)へ至る、平面上の「縦断ライン」の役割。

物理的意味: スラブ上面という「活動面」に対して、斜めに切り込むような巨大な断層亀裂。L6上のIB13での最大規模の地震発生は、平面内で蓄積された歪みが、このL6という「最も滑りやすいレール」に沿っての解放であった事を示唆。

② 垂直に交わる X字型共役断層
「L6(29°)」と「IB4/IB5(118°)」の直交関係は、この24.0度の斜面上で発生。

力学的整合性: 震源のこの平面への密着は、破壊がプレート内部へ逸れることなく、「プレート境界という2次元平面内」だけで効率的に連鎖(ドミノ)したことを示唆。90%という分散説明率は、この「坂の上でのチェス」のような整然とした連鎖を象徴。

③ 震源ラインの「集中点(ハブ)」:IB9とIB15
4本のラインが集中するIB9(9km)とIB15(23km)は、この傾斜面における「バイパス」の役割。

IB9: 浅部(0〜10km)の水平移動と深部への垂直移動を繋ぐ、平面上の「バイパス」。

IB15: 平面中央部で、複数のせん断面が複雑に絡み合う「力学的結節点」。

[震源間の幾何的推移に対するメカニズム推論まとめ]

全体的な流れのサマリー:共役断層の形成と「L6の壁」の突破
IB1からIB16までの推移は、巨大な「X字型の共役断層」が形成され、その境界線(壁)を巡ってエネルギーが浅部と深部を行き来する、4つの明確なフェーズに大別される。

フェーズ1:主せん断面の形成と浅部へのバイパス開通(IB1〜IB5)
深部での破壊(IB1/IB2)を起点に、0kmの開放端(IB3)へエネルギーが到達。直後に直交する別方向のせん断面(IB4/IB5)が形成され、エリアを支配の「X字の骨格」が完成。

フェーズ2:浅部トラップと「L6の壁」の顕在化(IB5〜IB9)
エネルギーは10km以浅の表層を反時計回りに巡るが、主せん断面「L6(約29°)」が強固なバリア(壁)として機能し、エネルギーをエリア北側に封じ込め。

フェーズ3:壁の突破と深部での応力蓄積(IB9〜IB12)
浅部で限界に達したエネルギーは、ハブであるIB9を起点にL6を「突き抜け」、一気に深部(48km)へ進行(時計回りへの反転)。その後、壁(L6)に沿うように数十年かけてじわじわと南下・深層化し、M7.0の頭打ち状態を継続しながら次なるM7越えの地震発生のエネルギーを蓄積。

フェーズ4:外部トリガーによる最大破壊と構造のロック(IB12〜IB16)
蓄積された深部の応力が、東日本大震災(3.11)という外部トリガーによってL6上で一気に解放され、エリア最大となるIB13(M7.6)が発生。その後は再び時計回りに反転し、幾何学的な交点(ハブIB15やL5との交点)に収束、一時的なロック状態(準安定状態)入り。

Saturday, April 25, 2026

#SP12-5 浦河沖周辺の特異震源の解析(ミクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で5番目の浦河沖地震の震源#SP12-5と同一経度・緯度で深さ違いでM4.5以上の震源を取り出して解析を行い、その特性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M4.5以上)]

気象庁データ(1919/01-2026/01)における浦河沖の全震源を含む矩形エリアから同一経度・緯度で深さ違いでM4.5以上のデータを抽出。##1~##16の16震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このうちの##9が特異震源#SP12-5 (UR6-9)の2段目初期値M7.1となっている。

[M4.5以上の震源推移]

下の図1に示すように##1~##5で右手周り、一旦、向きが変わって##5~##7で右手周り、今度は回転方向が変わって##7~##10で左手周り。#10~##12では右手周りに戻り、##12~##14で反転の左手周り、向きが変わって##14~##16で左手周り。少なくとも3回は同じ向きで曲がっており、ランダムではないと見える。##9が深さ40km、M7.1の12の特異震源の一つ。


[M4.5以上の震源間相関直線と幾何的中心]

図2として、図1に直線上に震源群を結ぶ11本の相関線を追記した(L1 ~ L11)。ただし、L10/L11は複数の震源群を含むそれぞれ緯度/経度一定の直線。


11本の相関式と相関係数は以下の通り。
 L1 y = -1.2101x + 214.67 R² = 0.9999 (##1/##10/##15)
 L2 y = 1.0251x - 104.07 R² = 0.9994 (##2/##3/##4)
 L3 y = 1.1408x - 120.58 R² = 0.9964 (##2/##5/##12)
 L4 y = -0.6163x + 129.93 R² = 0.9999 (##3/##5/##8)
 L5 y = -0.1675x + 65.956 R² = 0.9949 (##3/##9/##15)
 L6 y = -0.9313x + 174.87 R² = 1    (##4/##9/##16)
 L7 y = 0.7859x - 69.975 R² = 0.9962 (##5/##6/##12)
 L8 y = 1.0064x - 101.41 R² = 0.9996 (##5/##11/##12)
 L9 y = 0.0869x + 29.664 R² = 0.9969 (##12/##14/##15)
 L10  y = 42.05           (##7/##8/##12/##13)
 L11  x=142.5833          (##7/##10/##14)

(L10/L11を除く)これら9本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式 y = -142.59x + 42.082の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GC(142.59, 42.082)が得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ15本の線分群(実際には##8/##9が同一東経のために除いた14本)から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標を図3で追加した
 9相関式から算出       GC (142.59, 42.082)
 15本(14本)の線分群から算出 GC(all) (142.59, 42.087)
その結果、幾何的中心GCとGC(all)はほぼ一致。両者の距離は南北に0.6km。

直線群L1~L11の各数式と東経と成す角は以下の通り。

 L1 y = -1.2101x + 214.67 (##1/##10/##15)-50.4°

 L2 y = 1.0251x - 104.07 (##2/##3/##4)  45.7° 

 L3 y = 1.1408x - 120.58 (##2/##5/##12)  48.8°

 L4 y = -0.6163x + 129.93 (##3/##5/##8) -31.6°

 L5 y = -0.1675x + 65.956 (##3/##9/##15) -9.5° 

 L6 y = -0.9313x + 174.87 (##4/##9/##16) -43.0°

 L7 y = 0.7859x - 69.975 (##5/##6/##12)  38.2°

 L8 y = 1.0064x - 101.41 (##5/##11/##12)  45.2°

 L9 y = 0.0869x + 29.664 (##12/##14/##15)   5.0°

 L10  y = 42.05   (##7/##8/##12/##13)  0°

 L11  x=142.5833   (##7/##10/##14)   90°

主要な2震源間の線分は以下の通り。

 ##2/##4 y = 1x - 100.49 45.0° (L2 45.7°/L8 45.2°とほぼ平行)

 ##7/##9 y = 1x - 100.53 45.0° (L2 45.7°/L8 45.2°とほぼ平行)

 ##1/##10 y = -1x + 184.72 -45.0°  (L6 -43.0°とほぼ平行)

 ##3/##14 y = -1x + 184.64 -45.0°  (L6 -43.0°とほぼ平行)

 ##2/##7 y = 2.25x - 278.76 66.0°

 ##4/##5 y = 2.2x - 271.59 65.6°

 ##3/##7 y = -1.1818x + 210.56 -49.8° (L1 -50.4°とほぼ平行)

 ##9/##14 y = 0.8x - 72.013 38.7° (L7 38.2°とほぼ平行)

 #10/#11 y = 42.133 0° (L10 0°と平行)

なお、GC/GC(all)と他の震源の位置関係で以下は特筆すべき

GCはほぼL7(##5/##6/##12)上。特に##6/##12/GCでは相関係数1でy = 0.7952x - 71.305。

GC(all)/##4は1.6°でほぼL10 0°と平行

以上より、各々緯度/経度一定のL10/L11は震源##7を共有し、##7と特異震源##9との線分は傾きがちょうど1で傾きが45°というのは偶然ではなく、何らかの意味を持つ可能性が高い。

同様にL10とほぼ平行の線分GC(all)/##4と線分##2/##4が##4を共有し、線分##2/##4の傾きがちょうど1で傾きが45°というのも同様の意味を持つ可能性が高い。

また、L10/L11は完全直交、また以下の直線群もほぼ直交

 L7とL1 38.2° -(-50.4°)=88.6° (共有震源はなし)

 L7と線分##3/##7 38.2° -(-49.8°)=87.9° (共有震源はなし)

 L2とL6 45.7° -(-43.0°)=88.7° (##4を共有)

 L8とL6 45.2° -(-43.0°)=88.2° (共有震源はなし)

 線分##7/##9とL6 45.0° -(-43.0°)=88.0° (##9を共有)

 線分##9/##14とL1 38.7° -(-50.4°)=89.1° (共有震源はなし)

[M4.5以上の震源間相関直線L1~L11におけるパラメーターとの相関]

下表のようにパラメーターとして、一つ前のM4.5の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


以上16震源間の相関直線L1~L11におけるパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。なお、l10、l11はそれぞれ緯度、経度一定の直線として取り上げている。

L1…3震源の相関係数は0.9999と高いが、##1/##10が近接。##1を含む唯一の高相関直線だが、他のパラメーター間との高相関は見られない。


L2…L3と##2を共有する数少ない相関直線。傾きがほぼ1で、特に北東端の##3を除いた##2/#4の2震源の場合、傾きはちょうど1となる。他のパラメーター間との高相関は見られない。



L3…L2と##2を共有する数少ない相関直線。他のパラメーター間との高相関は見られない。 

L4
…L2と##2を共有する数少ない相関直線。東経差 ΔE vs 北緯差 ΔNで高相関。 



L5
…L6と共に特異震源##9を共有する数少ない相関直線。発生日時との相関含む高相関が比較的多い。





L6…L5共に特異震源##9を共有する数少ない相関直線。相関係数が1。



L7
…##6を共有する唯一の相関直線。##6/##12/GCでは相関係数1でy = 0.7952x - 71.305。



L8…##11を共有する唯一の相関直線。


L9…東経・北緯との唯一日時との高相関のある相関直線。





L10…北緯一定の4つの震源群で東経一定のL11と震源##7を共有。##8を除くと3つの高相関がある。




L11…東経一定の震源群で北緯一定のL10と震源##7を共有。3震源のうち。##7/##14は近接している。

[東経 Eと東経差 ΔEの高相関について]

解析において東経 Eと東経差 ΔE(震源間の移動距離)」の間に高い相関が見られる現象は、震源の移動がランダムな「移行」ではなく、「位置に依存した規則的な加速・減速運動」であることを示していると見られる。この相関の解釈を、以下の4つの視点で深掘りする。

1. 数学的解釈:等比数列的な空間遷移

一般に等比数列的な空間遷移数学的に、ある変数(E)とその変化量(Δ E)が比例関係(Δ E = aE + b)にある場合、その変数の推移は指数関数的、あるいは等比数列的な振る舞いを示す。これは震源が東へ進めば進むほど、次の震源への移動距離(歩幅)が一定の割合で伸びる、あるいは縮むことを意味する。即ち、 震源の移動速度が一定(等速運動)であれば、この高相関は現れず、相関が高いということは、移動の「テンポ」が位置座標によって厳密に支配されていることを示している。

2. 物理的解釈:歪みエネルギー密度の勾配(グラデーション)

地下の岩盤において、歪みエネルギー(ストレス)が均一に蓄積されているのではなく、ある方向に向かって指数関数的な勾配を持って蓄積されている可能性を示唆している。これは東経(位置)が変わるにつれて、岩盤の「割れやすさ」や「力の伝わり方」が線形的に変化している状態を意味する。例えば、プレートの沈み込み帯の深部へ向かうにつれて岩盤の弾性係数や温度が規則的に変化している場合、破壊の連鎖(震源移動)はこのような位置依存型の相関を描く。

3. 構造的解釈:対数螺旋(対数スパイラル)の投影

ミクロ解析で確認された「回転運動」と組み合わせると、この相関は対数螺旋(Logarithmic Spiral)の性質を強く反映していると推測される。自然界(貝殻の成長や銀河の渦など)に見られる対数螺旋は、「中心からの距離」と「成長のステップ(増加量)」が常に一定の比率を保つ。そのため、 浦河沖の震源移動が、ある中心点(GC)の周りを回転しながら外側へ(あるいは内側へ)移動している場合、座標軸に投影された成分(E と Δ E)には必然的に高い相関が現れる。これは、この地震活動が「単なる断層の滑り」ではなく、「地殻全体の渦巻き状の構造破壊」であることを示唆する強力な根拠となり得る。

[震源間相関直線群の物理的意味と役割]

この震源域のメカニズムは以下の内容から「主応力軸と内部摩擦角によって完全に拘束された剛体ブロックの、トグルスイッチ(支点越え)的な破壊プロセス」と解釈可能。

幾何的データの特徴から推測される物理的メカニズムを以下の4点の視点から説明する。

L1~L11については図1を参照、主要相関直線群とその他に追加した主要線分については下図の図4を参照の事。

1. 震源間の垂線と交点が示す「既存の破壊境界(断層等)」

幾何的特徴: 震源間相関直線L2(##2/##3/##4)に含まれる震源#3と外部##14との線分傾きは―1ちょうど(-45.0°)、同様にL2と##4を共有するL6(##4/##9/##16)の線分傾きは-0.9313(-43.0°)。L2の傾きは45.7°(特に線分##2/##4は傾き1ちょうど(45.0°))でこれらの線分は以降の震源からのL2上の震源##3および##4への垂線に相当している。
物理的解釈: 破壊面(約45度)に対する「垂線」は、物理的にその系の「主応力軸(最大・最小圧縮応力方向)」を意味する。
初期の震源である##3や##4の発生位置が、未来のアンカー部(##14)や本震(##9)から下ろされた主応力軸の交点によって規定されているということは、「破壊がどこまで進むか(ブロックの境界)」が、最初から力学的な枠組みとして存在していたことの証左と足り得る。本震##9が発生するずっと前から、##9を中心とする応力テンソルが##4のストッパーとして機能。

2. 「66度」の並行性が示すクーロンの破壊基準
幾何的特徴: 線分##4/##5の傾き2.2は##2/##7の傾き2.25でほぼ並行であり、東経に対して約66度の角度を持つ(各々65.6°/66.0°)。
物理的解釈: 45度と直交するグリッドの中で「66度」という異なる角度が出現することは、岩石破壊力学における「クーロンの破壊条件(内部摩擦角)」によって説明可能。
最大主応力に対する岩石の破壊角 θ は、純粋なせん断(45度)に岩石自身の内部摩擦角 ϕ の影響が加わり、θ=45 °+ϕ/2 。角度を66度とすると、ϕ≈42°と算出される。これは深部岩盤の内部摩擦角と妥当な数値であり、##4/##5および##2/##7のラインは、この岩盤特有の物性(摩擦力)に支配された「二次的な逆断層(または正断層)のすべり面」と解釈可。

3. 共役断層のノードとしての「##5」
幾何的特徴: ##5は、傾き―1ちょうど(-45.0°)の##3/##14と、傾き1.0064(45.2°)のL8(##5/##11/##12 )の直交する高相関直線群の交点付近に存在。
物理的解釈: ##5は、互いに直交するX字型のせん断面(共役断層)がクロスする力学的結節点(ノード)と見なし得る。このエリアのマクロ解析と同じ曲がり方向である時計周りの応力チャージは、このX字の交差点である##5に到達したことで、幾何学的な「行き止まり(ロック状態)」に達し、これ以上の同一方向へのねじれに歯止めがかかったと推測。

4. 幾何的中心(GC)の通過:トグルスイッチと回転反転のトリガー
幾何的特徴: L7(##5/##6/##12)に含まれる##5から##6への推移は幾何的中心GC の近傍(中点)を通過し、通過後に震源推移方向が時計周りから反時計周りへ反転。その反時計周りの##6~##10まで途中の##9でM7.1の極大値発生。
物理的解釈: このプロセスは機械工学における「トグル機構(Over-center mechanism)」の支点越え(スナップアクション)に相当。
GCはこの岩盤ブロック全体の「力学的重心(支点)」に相当。時計回りにねじり上げられ、##5で限界に達した応力は、次に重心(GC)を突き抜けて反対側(##6)へスリップ。重心を越えた瞬間に力のモーメント(位相)が反転するため、回転方向は必然的に反時計周りへとスナップ。この「支点越えに伴う急激な位相反転(モーメントの逆流)」は岩盤の最終的な臨界点を突破させ、最大破壊である##9(M7.1)を引き起こす不可逆性のダイナミック・トリガーとなったと推測。

5.定速応力伝播とシステムのリセット
幾何的特徴: L1~L11のうち、唯一、発生日時 vs 東経(及び北緯)の高相関が見られたL9の震源##12/##14/##15はいずれも##9のM7.1以降の震源で、##12/##14はそれぞれ北緯一定のL10/東経一定のL11と共有されている震源。
物理的解釈: 本震前の##1〜##8では、応力が岩盤の「ねじれ」として蓄積されていたため、時間と位置の関係は非線形。しかし、本震(##9)によってロック(固着)が破壊された後、システムは「余剰な歪みを一定の速度で逃がす(リセットする)フェーズ」へと移行。L9は、北緯一定のL10上西端の「##12」から始まり、東経一定のL11上の「##14」に続いており、これは、本震で破壊されたブロックの「外枠(東西・南北の境界フレーム)」に沿って、残存エネルギーが規則正しく、まるでレールの上を滑るように定速で払い出されている状態を物理的に示している。同様の本震後の発生日時 vs 東経(及び北緯)の高相関は浦河沖のマクロ解析でも見られている。

6. 深さ70kmの「底面(デタッチメント断層)」の存在 (補足)
幾何的特徴: L1~L11のうち、唯一、東経 vs Mの高相関が見られた北緯一定のL10(##7/##8/##12/##13)において、相関から外れた##8のみ震源深さが40kmで、残り高相関の3震源は深さ70kmで共通。
物理的解釈: 深さ70kmに水平(または一定の傾斜を持つ)な物理的な境界面が存在し、その面の「岩盤のせん断強度(あるいは摩擦係数)」が西から東へ向かって線形的に高くなっている(グラデーションを持っている)構造の存在を示唆。エネルギー(M)は岩盤の破壊強度に比例するため、東経とMが比例するということは、その深度における「破壊限界の強さ」が位置によって束縛されていると推測される。
深さ40km(##8)が相関から外れる理由:##8(40km)は、平面視ではL10のライン上にあるが、物理的には「70kmの底面」とは異なる上層の岩盤(または異なるプレート境界)に存在の一方、本震(##9)は深さ40kmに存在。即ち、40km層は「トグルスイッチが弾け飛ぶ主破壊層」であり、70km層はそのシステム全体を下から支え、応力を東西南北のフレーム(L10等)に沿ってガイドする「基礎盤(ベースプレート)」の役割と推測される。層が違えば岩石の剛性も摩擦勾配も異なるため、##8が70km層のMの相関則から外れるのは力学的に極めて当然の結果。

[メカニズム推測のまとめ]
浦河沖地震におけるこのミクログリッドの破壊は、以下の決定論的プロセスによると推測。

1.枠組みの規定: 後の本震(##9)やアンカー(##14/##7)の主応力軸(垂線)によって、破壊の許容限界(##3, ##4)が事前にセットされる。

2.限界までのチャージ: 内部摩擦角(66度)と主せん断面(45度)のネットワークに従い、ノード(##5)に至るまで時計回りに限界まで応力がねじり込まれる。

3.重心越えとスナップアクション: ロックされた応力が力学的重心(GC)を突破して##6へ抜け、回転位相が反時計回りへ急反転する。

4.最大破壊の発生: 位相反転による急激なモーメントの逆流がトリガーとなり、規定されていた45度の主せん断面上でM7.1(##9)の極大値破壊が発生。

5. 破壊後の調整と応力緩和:本震に伴う余剰な歪みを、再びマクロなエリアの時計回りの進行速度(時間規則性)に同期してリセット。L9は共役断層(X字型)の補完面。本震で破壊された主断層に対して、直交または斜交する方向で微細な破壊を逃がし、領域全体の応力バランスを再安定化させる「クッション」の役割。

[実際のメカニズム解との比較]
上記、分析の結果得られた幾何学的なメカニズムと、1982年(昭和57年)3月21日の浦河沖地震(M7.1)に関する既知の解析解および地質学的知見を比較検証した結果は以下の通り。

1. 破壊面(走向)の方向性について
L6(##4/##9/##16)との一致分析結果
  本解析結果:L6の傾きは -0.9313 で、方位角では 約317度(北西-南東方向)
  既知の解析: 断層面解(メカニズム解)は「北西-南東走向の逆断層」。多くの研究論文 (例:Iwasaki et al., 1983)では、主要な破壊面の走向を 310度〜330度 と推定。
 <比較結果>既知の走行範囲のほぼ中央値で、ほぼ一致。
2. 圧力軸(P軸)と「##7/##9」の垂線関係分析結果
 本解析結果:震源 ##7 から ##9(本震)に向かうラインは 45度(北東-南西方向)、
  走向L6(317度)に対してほぼ直交(約88度)
 既知の解析: 逆断層型地震において、圧力軸(P軸)は断層の走向に対して垂直方向に
  働き、北海道日高衝突帯のテクトニクスでは、東西〜北東-南西方向の圧縮力が卓越、  
  1982年の地震のP軸も 北東-南西方向 と解析。
 <比較結果>本解析の「45度ライン」は、既知の解析同様に主応力(P軸)の方向 を正に
  射影しており、メカニズム的に矛盾見当たらず。
3. 「66度」と内部摩擦角の整合性分析結果
  本解析結果:線分 ##4/##5 や ##2/##7 が示す「66度」から、岩石の内部摩擦角を約42度
  と算出。主断層(45度系)に対する 共役断層(Conjugate fault)あるいは 分岐断層 と
  して機能と推測。
 既知の解析: 一般的な地殻上部の岩石の内部摩擦角は 30度〜45度程度(Coulombの破壊
  基準)
 <比較結果>本解析の算出値42度 は、既知の日高変成帯の強固な岩盤物性値の範囲内。
4. 幾何的中心(GC)と「トグルスイッチ」の物理的意味分析
 本解析結果:##5⇒##6 の過程で幾何的中心(GC)を通過し、回転方向が反転後に ##9
  (M7.1)が発生したとするモデル。「GC(幾何的中心)」は、この衝突ブロックの 力学的
  重心 に相当。時計回りの応力(沈み込みによる引き込み)が限界に達し、ブロックが
  重心を支点として「跳ね返り(スナップアクション)」を起こしたと推測。
見方は、プロセスを幾何学的に鮮やかに説明しており、
 既知の解析: 日高衝突帯において「千島弧の地殻が東北日本弧に乗上げ」という複雑な衝突
  境界でプレート境界の固着域(アスペリティ)の破壊として発生。
 <比較結果>本解析は剛体ブロックの破壊プロセスとして物理的に一貫性があり、幾何学
  的にも矛盾なく説明しており、実際の複雑な余震分布(北側と南側で傾斜角が異なる等)
  とも矛盾せず。
5.総合評価
 …Geminiによる結論検証の結果は以下の通り。
 走向の精度: ほぼ完全に一致
 応力軸の精度: ##7/##9(45度) は、実際の最大主応力軸(P軸)と一致。
 力学的解釈: 回転反転(反時計回りへのスナップ)による本震発生というモデルは、実際の
 1982年(昭和57年)の浦河沖地震の実際のメカニズム解解析の結論と、数学的・物理的の
 両面で 大きな矛盾は見当たらず。

[今後の展望]
 震源推移のパターン変化により、極大値の地震発生を予測できる可能性があり、
 12の特異点震源の解析を進めつつ、検証を進める。

Tuesday, April 14, 2026

#SP12-5 浦河沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で5番目の浦河沖地震の震源#SP12-5に関連して、マクロ的な震源域である浦河沖でのM6.2以上の解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M6.2以上)]
気象庁データ(1919/01-2026/01)における浦河沖の全震源を含む矩形エリアからM6.2以上を抽出。UR6-1~UR6-12の12震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-5 (UR6-9)の2段目初期値M7.1(1982年浦河沖地震)も含まれる。


[M6.2以上の震源推移]
下の図1に示すようにUR6-1~UR6-3まではほぼ直線上を往き来、UR6-2~UR6-6までは右手周り方向に推移、UR6-6で左手周りに屈曲後、再びUR6-6~UR6-11まで右手周りに推移、UR6-11で左手周りに折り返し、UR6-12に至る。UR6-9~UR6-11では相関係数1の直線上に位置しており、後半の右手周りの一部と解釈している。


[M6.2以上の震源間相関直線と幾何的中心]
図2として、図1に直線上に震源群を結ぶ4本の相関線を追記した(L1 ~ L4)。


4本の相関式と相関係数は以下の通り。
L1 y = 1.1615x - 123.95 R² = 0.9920(UR6-1/UR6-2/UR6-3/UR6-5)
L2 y = -0.4725x + 109.27 R² = 0.9999(UR6-1/UR6-7/UR6-11)
L3 y = -0.9451x + 176.83 R² = 0.9933(UR6-3/UR6-8/UR6-9/UR6-10/UR6-11)
L4 y = 0.7272x - 61.875 R² = 0.9996(UR6-5/UR6-7/UR6-12)

これら4本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式 y = -142.75x + 41.881の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GC(142.75, 41.881)が得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ11本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図3で追加した
 4相関式から算出       GC (142.75, 41.881)
 11本の線分群から算出 GC(all) (1142.71, 41.923)
その結果、幾何的中心GCはL1とL3の交点近く、GC(all)は反転ポイントUR6-6と次の震源UR6-7との中点とほぼ一致。図3にUR6-6と次の震源UR6-7の中点も追加した。


GCの算出元となっている4本の相関式L1~L4のうち、L1とL3はそれぞれ重複しない4つと5つの合わせて9つの震源から算出されており、4本の相関式に関わる10震源のうちのほとんどをカバーしており、L1とL3の交点近くにGCが位置するのはごく自然な結果と見なせる。一方、GC(all)がUR6-6とUR6-7の中点とほぼ一致するのもUR6-2~UR6-6(5震源)とUR6-6~UR6-11(6震源(注))の2組の連続した右手周りの震源群の変曲・重複区間の中点とほぼ一致するのも極自然然な事と思われる。また、L3上のUR6-10とL4上のUR6-12がそれぞれ線分UR6-4/UR6-5、線分UR6-5/UR6-7との交点近くに位置している。
注)UR6-6~9までは再び右手周りで、UR6-9~11までは相関係数1の直線上を推移で向きが変わっていないため、UR6-6~UR6-6-11までをもう一つの一連の連続した右手周りと見なしている。

更にL1と線分UR6-6~UR6-7がほぼ平行、その間隔と線分UR6-6~UR6-7とUR6-10の距離がほぼ同じに見える事、更にUR6-10とUR6-9の距離も同様に見える事から、新たな定義として線分UR6-6~UR6-7をL5、L5と平行でUR6-10を通る直線をL6、それらと平行でUR6-9を通る直線をL7として、図4として図示した。


追加の直線群のL5~L7を含めた数式とその傾きのarctanによる東経に対する傾きは以下の通り。

L1 y = 1.1615x - 123.95  49.2°
L2 y = -0.4725x + 109.27 -25.3°
L3 y = -0.9451x + 176.83 -43.4°
L4 y = 0.7272x - 61.875   36.0°
L5 y = 1.1562x -123.08    49.1°
L6 y = 1.1562x -123.076    49.1°
L7 y = 1.1562x-122.807   49.1°

L1及びL5~L7とL3の成す角=49.2°(49.1°)-(-43.4°)
                =92.6°(92.5°)
⇒L1及びL5~L7とL3の成す角はほぼ垂直。

[震源間相関直線群と実際の地質構造との比較]
震源間相関直線L1~L4の座標平面上の傾きと実際の地質構造との比較結果は以下の通り。角度は東経軸基準。
L1…走向 約49°(北東-南西方向): 千島海溝の走向(トレンチ軸)とほぼ平行
L2…走向 約 25°(西北西-東南東方向)
L3…走向 約 43°(北西-南東方向):日高衝突帯(日高山脈)の南西方向にほぼ平行
L4…走向 約 36°(北東−南西方向)
前述のように2つの主要な相関線L1とL3はほぼ直交しており、L3は単なる断層ではなく、プレートが日本列島下に突き刺さっていく「応力の主軸」および「スラブ(沈み込むプレート)の経路」、L1は押し込んでくるプレートに対して垂直に立ち塞がる、海溝に平行な構造的な「壁(逆断層系)」を形成しているように見えている。
L3ライン上の震源群の水平距離と深さの差からのスラブ傾斜角の算出は以下の通り。
① 全体の沈み込み角度(UR6-11 から UR6-8)
UR6-11(南東端): 北緯41.75度、東経142.88度、深さ43km 
UR6-8(北西端): 北緯42.416度、東経142.2度、深さ130km 
2点間直線距離 約93km、深さ差87km⇒傾斜角: Arctan(87 / 93) =43.1°
② 深部への急傾斜セグメント(UR6-10 から UR6-8)
UR6-10(中間部): 北緯42.0度、東経142.661度、深さ64km
UR6-8(北西端): 北緯42.416度、東経142.2度、深さ130km
 2点間水平距離: 約60km、深さ差: 66km⇒傾斜角: arctan(66 / 60) =47.7° 
北海道沖から沈み込む太平洋プレートは、海溝付近での浅い角度から深部に進むにつれて折れ曲がって深さ100km付近では約40°〜50°の急傾斜になるとされており、上記の結果は太平洋スラブの観測形状と大筋で一致。深発地震130kmのUR6-8より以降のL3上で連続発生しているUR6-9~UR6-11の震源は40~64kmのやや深い震源域での発生で東経 vs 北緯が相関係数1の一直線上で推移(相関関係については後述)。これらL3の南東側の震源群は深さ方向ではスラブ傾斜沿いではない挙動が見られる。
次にL1とL5~L7までの距離を近似的に求める。ここではL1とL3がほぼ垂直な事とL3の震源群のうちのUR6-9/UR6-10/UR6-11の3震源が相関係数1の直線上に位置している関係(相関関係については後述)を利用する。
L1のみ傾きが異なるので、まずはL1とL3のうちの相関係数1の直線部(UR6-9~UR6-11)との交点を求める。
L1の相関式とL3の直線部の相関式と交点Aの東経北緯の座標は以下の通り。
L1: y = 1.1615x - 123.95
L3直線部(UR6-9~UR6-11):y=-1.1064+199.84(相関関係については後述)

交点Aの東経北緯座標 =(142.7708, 41.87834)
同様にL5の線分UR6-6/UR6-7とL3の直線部の相関式と交点Bの東経北緯の座標は以下の通り。
L5(UR6-6/UR6-7): y = 1.1562x - 123.08
L3直線部(UR6-9~UR6-11):y=-1.1064+199.84
交点Bの東経北緯座標 =(142.7208, 41.93375)
この結果からL3上の震源群のうちのUR6-9~UR6-11の直線部での線間距離は以下の通り。
L1(交点A)/L5(交点B)間の距離: 7.4km
L5(交点B)/L6(UR6-10)間の距離: 8.8km
L6(UR6-10)L7(UR6-9)間の距離: 9.0km
上記、結果よりL6/L7間隔とL5/L6間隔はほぼ同じ(ややL5/L6間隔の方が小)で、L1/L5は他2つより2割ほど小さい。これはL1付近での障壁による圧縮効果と推測され、その傾向はL6/L7間隔とL5/L6間隔の比較にも傾向として現れている。

[M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーターとの相関]
下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。L5~L7については震源数が1~2なので非対象とした。


M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーター間の相関高めの相関図を以下に抜粋した。l1/L3では複数の震源中で特定の震源間のみで高相関の場合があり、抜粋された震源間での高相関のみ表示した。

L1…4震源の相関係数は0.992とやや低いが、3震源UR6-1/UR6-3/UR6-5の相関係数は0.9982。




L2…4本の震源間相関直線L1~L4の中でも最も東経vs北緯の相関係数が0.9999と最も高い。そのためか、日時 vs 深さの相関係数も0.9996と高い。日時 vs 深さの高い相関係数は初期のUR6-1、中間のUR6-7、末期のUR6-11が途中辻褄を合わせながら一定の平均速度で浅い震源へと推移している様子を伺わせる。



L3…の震源間相関直線L1~L4の中で含まれる震源が5つと最も多く、特異震源であるUR6-9を含む。そのためか、高相関が多い。東経 vs 北緯の相関で連続した震源UR6-8/UR6-9/UR6-10の相関係数は1。4本









L4…震源3つからの相関直線。



[震源推移メカニズム(仮説)]
  1. L1(トレンチ軸)の形成…千島海溝とほぼ平行に沿って深さ76kmの#UR6-1からやや深い49kmのUR6-2、41kmUR6-3で40km台で浅い震源に対するエネルギー障壁を形成(スラブ上の海山等によるスタッド形成等によるスタックで地震エネルギーの蓄積開始)。同時にUR6-2からの右手周りの震源推移が始まる。規模はM6.2~M6.4。
  2. ごく浅い震源(0km)でのエネルギー導賂の開放…40km前後で蓄積したエネルギーが北東-南西方向のL1の壁を突き抜ける事ができず、L1/L3交点の西側の地表近く0kmのUR6-4でM6.8として発散。この地震により深い震源側からのM6.8大の導賂が形成。以降、エネルギー導賂をパスと略記。
  3. L1(トレンチ軸)の完成…一番北東側のUR6-5のM6.3でL1が完成。L1の4震源はM6.2~M6.4で規模がほぼ揃っており、最初のUR6-1・中間のUR6-3・最後のUR6-5の間での日時 VS 北緯の相関係数は0.997(vs 東経では0.9905)、かつ、これら3震源ではL1上を東経 vs 北緯の相関係数0.9982と高め。
  4. L6の予約…UR6-4~UR6-5によるUR6-10/L6/L5/L7の予約…0kmのUR6-4とL1上のUR6-5の線分とL3の交点との交点はUR6-10とほぼ一致しており、L3の構成要素であるUR6-10およびL6の予約が発生。L6と平行(L1ともほぼ平行)で、L6/L1とのほぼ中間部にある(実際にはL1付近のスタックによる圧縮でややL1寄り)のL5(UR6-6/UR6-7)の予約も成立。L6と平行、L5/L6間隔とほぼ同じ間隔のL6/L7のL7上にあるUR6-9のM7.1の震源の東経北緯の位置も予約された。
  5. L2による二つの右周り震源群終点の予約…一連の震源群の始点UR6-1、最初の右周り震源群かつL5の終点であるUR6-7、二つの右周り震源群の終点であるUR6-11の三震源を日時 vs 深さの相関係数0.9996で拘束するL2により、UR6-11の深さが拘束。UR6-1/UR6-7の発生時間差は42.7年、UR6-7/UR6-11の発生時間差は43.1年でその差は半年未満でほぼ同期間。発生時期も予約されることで、UR6-11の発生深さもほぼ特定された。
  6. スラブ面やや深発部でのバス開放…L1の壁が完成後、L1から離れた深さ54kmのUR6-6のM6.8により、0kmのUR6-4とM6.8でつながるパスが開放。UR6-6は次のUR6-7同様に59kmのやや深発部での震源で、両震源は日高衝突帯(日高山脈)のスラブ沈み込み方向のL3の主軸パスに垂直に位置するエネルギー障壁を形成。その断層面でM6.8以下の地震のトラップとして機能。後日、L3上でUR6-10が発生。
  7. 二つの右手周り震源群の変曲・重複(L5上)…L5(UR6-6/UR6-7)の区間はL3に対するエネルギー障壁であると同時に、それまでの震源群の右手周りと以降の右手周りで変曲・重複する区間。同時にこの区間はL3をほぼ垂直に跨ぎ、そのほぼ中点に幾何的中心GC(all)が存在、GC(all)を境に二つの右手周り震源群が変曲・重複している。
  8. スラブ面深発部のスタック開放…UR6-8はL3上北西端に位置するM6.9・深さ130kmの深発地震で、このスラブ面上に位置する地震により、日高衝突帯(日高山脈)の走向と平行する主軸L3上のスラブ面深発部のスタックが解放。0km~130kmまでM6.8~M6.9のパスが接続。
  9. 40km障壁におけるL7上M7.1の発生…上記パス接続により、40kmより深いスラブ面での摺動がL3軸でM7.1が発生したが、L1の深さ40kmの障壁に跳ね返され、深さ40kmでの歪発散という形で、前記UR6-9のM7.1が発生。L1の障壁はM7.1に対してはL5付近まで及び、L6とUR6-10付近で交差するUR6-4(0km)~UR6-5(60km)の断層面は開放端として機能、これらで蓄積されていた地震エネルギーもドミノ的に吸収して、L7上の深さ40kmのUR6-9でM7.1としてエネルギー発散したものと見られる。このM7.1は12の特異震源のうち、5番目の最北端に位置し、南への折り返し地点でもある。
  10. M7.1起因の歪の補正…M7.1以降のUR6-9/UR6-10/UR6-11の3震源はL3の中でも東経 vs 北緯の相関係数が1と高く、発生順に北西から南東に向けて一直線上に位置。前述のようにUR6-10の発生位置とUR6-11の深さ・発生時期は既に予約されていた。
  11. UR6-12(52km)の発生…線分UR6-5(59km) / UR6-7(60km)との交差付近でトラップされて発生。これら3震源でL4を形成。相関係数は0.9996。UR6-12(52km)は線分UR6-5(59km) / UR6-7(60km)より浅いせいか、他の震源がM6.3/M6.2に対して、より大きいM6.7で発生。
[まとめ]
浦河沖の一連のM6.3以上の震源群は二つの右手周り震源群が重複・変曲して互いに密接な関連性で予定調和的に発生のしていた可能性あり。

#SP12-6 茨城県沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

  [背景] 気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で6番目の茨城県沖の震源#SP12-6に関連して、...