Monday, July 20, 2026

#SP-13 岩手県沖周辺の特異震源の解析(ミクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源はこれまで12震源しか存在しなかったが、先月2026年6月での岩手県沖のM7.2が2段目で発生し、13番目の特異震源となった。そのため、これまで12の特異震源と呼称していたが、今後は段数の特異震源と呼称し、発生順に#SP-* (* は連番)の略号を付与する。今回の段数の特異震源は#SP-13となる。この岩手県沖エリアでの特異震源近傍でミクロ的な震源群で解析を行い、そのメカニズムと特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M5.6以上)]
気象庁データ(1919/01-2026/06)における岩手県沖の段数の特異震源グリッド#SP-13(2段目M7.2)の±0.1°の近傍でM5.6以上を抽出。##01~##17の17震源データを得て、これらを対象に解析を行う。段数の特異震源#SP-13は##16


[M5.6以上の震源推移]
下の図1に示すように、##01~##03は同じ軌跡を行ってほぼ同じ震源付近まで戻ってきており、##03~##05、##04~##06、##05~##07、##06~##08、までは逆時計回りと時計回りを交互に繰り返し。さらに反転して、##7~##10までは逆時計回り。##09~##13までは時計回り、##12~##17までは逆時計回りとなっている。なお、##13/##14は2011年の東日本大震災の余震群。


[M5.6以上の震源間相関直線とその傾き、およぴ幾何的中心]
前記17震源群を直線で結ぶ10本の震源間の高相関式とその傾き・切片・(東経に対する)角度・相関係数は以下の通り。


L1・L2・L6は完全相関でR² = 1。他にもL3・L10の相関係数も0.9999で完全相関に近い。
相関直線図を追加したものを図2として以下に示す。


ほぼ平行なL2(-61.0°)/L10(-61.7°)のみ追加したものを以下の図3に示す。ほとんどの震源はこれら2相関直線群上あるいは間に位置しているが、南西側に外れている4震源のうち、##2(М5.7)は最も浅い震源14㎞で、特異震源を含む残る3震源(##4/##10/##16)は本エリアの規模のトップ3となっている(##4(M6.7)/##10(M7.2)/##16(M7.2))。


これら10本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式y = -142.37x +40.261の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ16本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。
 10相関式から算出    GC (142.37, 40.261)
 16本の線分群から算出 GC(all)  (142.41, 40.264)
特異震源#16直前の#15までの14本の線分群から得られるメタ相関式y = -142.42x + 40.25の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GC(all)0は以下の通り。
 GC(all)0  (142.42, 40.25)
これらの幾何的中心の座標群も図4で追加した。


その結果、幾何的中心GCは相関直線L6と線分#5/#6との交点付近、GC(all)は相関直線L3とL8との交点付近、GC0(all)はL5とL8の交点付近に位置している。
段数の特異震源#16の直前#15までのGC0(all)→GC(all)はL8に沿って推移、GCに接近している。

[M5.6以上の震源間相関直線L1~L10におけるパラメーターとの相関]
下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN、東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


M6.5以上の震源間相関直線L1~L10における東経vs北緯以外のパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。

L1(#1/#2/#3)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。その他の高相関はなし。

L2(#1/#9/#11)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。その他に東経/北緯 vs 線分傾きΔN/ΔEも高相関。ただし、#9/#11の線分傾き値が近接。


L3(#2/#7/#10)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9999。他に東経/北緯 vs 北緯差ΔNでも高相関。



L4(#2/#9/#16)…東経 vs 北緯の相関係数0.9996の高相関。その他の高相関はなし。

L5(#4/#5/#11)…東経 vs 北緯の相関係数0.9998の高相関。その他の高相関はなし。

L6(#4/#9/#15)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。その他の高相関はなし。

L7(#4/#6/#13)…東経 vs 北緯の相関係数0.9994の高相関。その他の高相関はなし。

L8(#7/#8/#13)…東経 vs 北緯の相関係数0.9959の高相関。その他、日時 vs 深さでも高相関。


L9(#8/#9/#17)…東経 vs 北緯の相関係数0.9993。北緯 vs 深さの完全相関係数1などの高相関あり。





L10(#13/#15/#17)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9999の高相関。他に東経/北緯 vs 北緯差ΔNも高相関となっている。



[震源間相関とその物理的挙動の推測] 

岩手県沖のシステムは、「マクロとミクロで直交する二重の並行障壁」に囲まれた巨大な立体ダムとして機能しており、特異震源の#SP-13の発生は、巨大震災(M9.0)後の残留応力を深部へパッキングし直す「荷重転嫁」の最終工程として推測される。

1. 初期フレームにおける「垂直往復」による充填(##01 〜 ##03)
【期間】1920年 〜 1937年(約17年間)
個別震源の挙動
##01(46km) → ##02(14km) → ##03(50km) とL1上を往復推移。
駆動メカニズム
深部エンジン層から浅部(14km)へ、そして再び最深部(50km)へと激しく突き上げる「垂直往復」が発生。これにより、ミクロ完全線形レール L1(41.5°、 相関係数1)を形成。
物理的解釈
ミクロエリア全体の垂直方向のひび割れ(バイパス)を形成し、巨大破壊に向けた骨組みを構築する準備フェーズ。

2. 「幾何学的な檻」での蓄積と基底状態(##04 〜 ##09)
【期間】1960年 〜 1993年(約33年間)
個別震源の挙動
第3位の規模の##4(M6.7)以降、時計回りと反時計回りの交互ジグザグでL2上の##09まで。##5以降の規模はM5.7〜6.0の「基底状態」で停滞。
駆動メカニズム
ミクロの並行障壁である L2(-61.0°) と L10(-61.7°)という強固な「檻」に応力がトラップされ、管を巻く滞留状態へと推移。
物理的解釈
ストレス供給量が放流量を上回り続け、最大破壊容量までの水位(応力)を極限まで高めていく蓄積フェーズ。

3. 障壁の突破と深部での巨大破断(##09 〜 ##11)
【期間】1993年 〜 1995年(約3年間)
個別震源の挙動
##7以降続いていた反時計回りで並行障壁内を推移、並行障壁の北東側L2(-61.0°) 上の##09(28km)から南西方向に折り返し、並行障壁の南西側L10(-61.7°)を突き抜けて##10(M7.2, 48km)が発生。当日直後の余震でL2(-61.0°) 上の##11(M6.2, 38km)に回帰。
駆動メカニズム
並行障壁間で飽和したエネルギーが、強固な障壁 L2 を南西側に突き抜け、一気に並行障壁害の硬質な深部エンジン層(48km)への流入、##16と同率第1位のM7.2の破壊に至った。
物理的解釈
基底状態のエネルギーが巨大な破壊へと「相転移」し、巨大破壊へのプロセスを開始したシグナル。

 4. M9外部トリガーによる秩序再編(##12 〜 ##15/マクロでは#IW-10 〜 #IW-16 )
【期間】2009年 〜2019年(約11年間)
個別震源の挙動
##9から並行障壁の南西側L10(-61.7°)上の##13まで時計回り。##13は2011年東日本大震災(M9.0)の6日後。さらに翌年の余震##14が並行障壁内で発生後、2019年の##15で南西側障壁のL10(-61.7°)に回帰。マクロでは L4, L5 という完全線形レール上を埋める強制的整列が発生。
駆動メカニズム
外部からの巨大な歪み流入により、自律的なプロセスが中断され、既存の幾何学的レールを短期間で形成。この過程で、ミクロの並行障壁の南西側L10 が形成。
物理的解釈
巨大破壊後の不整合を、地殻が既存の「幾何学的な溝」を埋めることで事後調整(再ロック)する復元モード。

5. 特異点 #SP-13 (##16) 2段目発生と荷重転嫁(##15 〜 ##17)
【期間】2019年 〜2026年(約7年間)
個別震源の挙動
並行障壁の南西側L10上の2019年の##15から#12以降続く反時計回りで、並行障壁内を南西側に外れた深部44kmにおいて 特異震源##16の2段目のM7.2が今年2026年に発生。3日後の余震で並行障壁の南西側L10上の#17に回帰。
駆動メカニズム
##16は、100年前の##02(1928年)から続く歴史的な荷重転嫁レール であるL4(11.8°)と、マクロでの障壁L12(-85.4°)との交点で発生。
物理的解釈
「荷重転嫁」の完了。大震災後に北側・浅部ブロック(##12〜15)に残留していた不安定な応力を、44kmの硬質な深部層へと強制的に推移、マクロでの幾何学的中心(GC)を大きく南西に推移させることで、エリア全体を新たな平衡状態に移行させた。
[総括:岩手県沖システムの幾何学的・力学的特質]

マクロ解析も含めたまとめ

1.  直交障壁による拘束
    マクロの並行障壁(L1/L10: 約27°系)とミクロの並行障壁(L2/L10: 約-61°系)は、その差が 約88° であり、**マクロとミクロの障壁がほぼ直交。この直交する格子が「物理的な檻」となり、応力をランダムに散らさず、M7台への集約へ導いた。
2.  基底状態からの発振
    M5〜6クラスの基底地震は蓄積された応力ストレスのオーバーフローであり、蓄積されたエネルギー・ポテンシャルが閾値を超えた瞬間に、予定されたレール(ミクロでのL4など)上で M7.2 という「巨大発振」へと相転移 。
3.  予定調和的な発生
    特異震源 ##16 が過去の震源直線上に収まったことは、破壊がランダムではなく、あらかじめ彫り込まれた幾何学ネットワークに沿って発生している可能性を示唆している。
以上のメカニズムにより、岩手県沖は「直交する障壁の中で精密にストレス閾値を管理し、臨界点に達するたびに深部へエネルギーを流入させる精緻なシステム」というモデルが仮説される。

Sunday, July 5, 2026

#SP-13 岩手県沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源はこれまで12震源しか存在しなかったが、先月2026年6月の岩手県沖でのM7.2が2段目で発生し、13番目の特異震源となった。そのため、これまで12の特異震源と呼称していたが、今後は段数の特異震源と呼称し、これまで通りに発生順に#SP-* (* は連番)の略号を付与する。今回の段数の特異震源は#SP-13となる。この震源を含むマクロ的な震源域である岩手県沖エリアでのM6.5以上の解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M6.5以上)]

気象庁データ(1919/01-2026/06)における岩手県沖の全震源を含む矩形エリアからM6.5以上を抽出。#IW-1~#IW-17の17震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内には岩手県の段数の特異震源#SP-13 (#IW-17)だけでなく、三陸沖での#SP-7 の2段目M7.1(#SR-9/#IW-7)も含まれている。


[M6.5以上の震源推移]

下の図1に示すように#IW-1~#IW-5までは反時計周り、#IW-5で反転、#IW-4~#IW-7では時計周り、#IW-7で再反転、#IW-6~#IW-14まで再び反時計回り、#IW-7で反転、#IW-13~#IW-15まで時計回り、#IW15でほぼ反転折り返して延長線上の#IW-16へ推移。#IW-15~#IW-17までは時計周り。#IW-7が段数の特異震源の7番目の#SP-7、先日の段数の特異震源の13番目#SP-13が#IW-17。なお、#IW-10~#IW-13は2011年の東日本大震災当日の余震群であり、#IW-14~#IW-16も2011~2012年に発生の余震群と見られる。今回の#IW-17は当エリアでの約15年ぶりのM6.5以上の震源となっている。


[M6.5以上の震源間相関直線とその傾き、およぴ幾何的中心]

前記17震源を直線で結ぶ12本の震源間の高相関式とその傾き・切片・(東経に対する)角度・相関係数は以下の通り。4震源を含む場合、より相関係数の高い組合せを採用した。

L4~6・L8はほぼ完全相関でR² = 1。他にもL3・L11の相関係数も0.9998~0.9999で完全相関に近い。L1(27.8°)/L10(26.8°)はほぼ平行。三陸沖のの段数の特異震源#IW-7を含む高相関直線はない。


これら12本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式y = -142.32x + 39.262の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ16本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。

 12相関式から算出       GC (143.32, 39.262)
 16本の線分群から算出 GC(all) (142.57, 39.577)

最後の震源#IW-17を含む唯一の相関直線L12を除く、11相関式による幾何的中心をGC0、最後の線分#IW-16/#IW-17を除く線分間の幾何的中心をGC0(all)とすると各々の座標は以下の通り。
 11相関式から算出       GC0 (142.02, 39.119)
 16本の線分群から算出 GC0(all) (142.58, 39.815)

高相関直線群とこれらの幾何的中心の座標群も図2に追加した。


その結果、幾何的中心GCは相関直線L5上の#IW-12の真北付近、GC(all)は相関直線L5上の線分#IW-5/#IW6と線分#IW13/#IW-14が交差する付近に位置している。
直近の段数の特異震源#IW-17の影響を除いたGC0、GC0(all)からはそれぞれ大きく推移しており、GC0→GCは大きく南西方向に、GC0(all)→GC(all)はほぼ真北に推移。GC0(all)は#IW-6~#IW-10で囲われた北側の四角形エリアの南側の底辺(線分#IW-6/#IW-7)付近、GC(all)は#IW-4~#IW-7で囲われた三角形エリアの底辺付近に位置している。

[M6.5以上の震源間相関直線L1~L12におけるパラメーターとの相関]

下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


M6.5以上の震源間相関直線L1~L12における東経vs北緯以外のパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。

L1(#IW-1/#IW-2/#IW-8)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9982。他の高相関はなし。

L2(#IW-1/#IW-3/#IW-4)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9989。他の高相関はなし。

L3(#IW-1/#IW-12/#IW-15)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9998。他に日時vsMでも相関係数1の高相関だが、#IW-12/#IW-15のMが同じため。


L4(#IW-1/#IW-10/#IW-15)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。その他に東経/北緯 vs 北緯差ΔNも高相関。


L5(#IW-1/#IW-8/#IW-11)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。他の高相関はなし。

L6(#IW-2/#IW-14/#IW-15)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。他の高相関はなし。

L7(#IW-3/#IW-6/#IW-14)…東経 vs 北緯の相関係数0.9979。その他、東経 vs 東経差ΔNでも高相関。

L8(#IW-4/#IW-5/#IW-14)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。その他、東経/北緯 vs Mでも高相関。


L9(#IW-4/#IW-9/#IW-13)…東経 vs 北緯の相関係数0.9999。#IW-17を入れた4震源の相関でも相関係数は0.9994(IW-9とIW-17が近接しているため)。3震源では東経/北緯 vs 東経差ΔEでも高相関。



L10(#IW-5/#IW-10/#IW-12)…東経 vs 北緯の他の相関係数0.9972。#IW-10/#IW-12は北緯が近接しており、日時 vs 北緯の高相関はそれが原因の可能性もあり。北緯差ΔN vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関。


L11(#IW-8/#IW-13/#IW-15)…東経 vs 北緯の他の相関係数0.9999。その他、日時  vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関。


L12(#IW-10/#IW-16/#IW-17)…東経 vs 北緯の他の相関係数0.9992。その他、日時  vs Mでも高相関。

[震源間相関とその物理的挙動の推測] 

第1期:#IW-1 〜 #IW-5 外郭形成
【期間】1928年 〜 1968年(約40年間) / 軌跡:反時計回り
個別震源の挙動
エリア北東の#IW-1(1928年、M7.0)に続き、南西部の#IW-2(1931年、M7.2)が発生。
その後、再び北東の#IW-3(1935年、M7.1)、#IW-4(1960年、M6.7)、そして西側の#IW-5(1968年、M7.2)へと、エリアの外郭をなぞるように反時計回りのループを形成。
駆動メカニズム
この時期は、未成熟で均一化されていない断層面に対し、プレートの沈み込み帯が「面全体の歪みキャパシティ(枠組み)」を構築していたフェーズ。 数理的には、北側バウンダリであるL1障壁(角度27.8°)の起点(#IW-1, #IW-2)がこの時点で強固にロックされ、エリア内のエネルギーが外側に逃がさない構造的な「外壁」を形成。
第2期:第1の反転と臨界化フェーズ(#IW-5 〜 #IW-7)
【期間】1968年 〜 1989年(約21年間) / 軌跡:時計回りへの第1反転
個別震源の挙動
1968年の#IW-5(M7.2、深さ20km)をピボット(回転軸)として、それまでの反時計回りから時計回りへと反転。
応力は深部へと急降下し、地殻深部72kmの#IW-6(1987年、M6.6)へと推移。
そのわずか2年後、今度は一転してプレート最浅部(深さ0km)での#IW-7(1989年、M7.1)の三陸沖の段数特異点#SP-7が発生。
駆動メカニズム
#IW-5での反転は、水平方向の応力分配が限界に達し、垂直方向(Z軸)へ応力が転進した状態。深部72km(#IW-6)から極浅部0km(#IW-7)への「垂直推移」は、地殻を上下に貫く断層セグメントの伝達パスの連結形成を反映。
特に#IW-7(#SP-7)という特異点の出現は、システム全体が単なるエネルギー蓄積状態から、連鎖破壊の臨界モードへの移行に対する物理的シグナル。
第3期:広域トリガーによる強制的整列フェーズ(#IW-7 〜 #IW-14)
【期間】1989年 〜 2011年(約22年間) / 軌跡:再反転と巨大連鎖(反時計回り)
個別震源の挙動
長いM6.5クラスの静穏期間後、2011年3月11日の東日本大震災(M9.0)の外部からのメガトリガーにより、システムは強制的に再反転。
地震当日のわずか数時間の間に、#IW-10(M6.5、29km)、#IW-11(M7.4、32km)、#IW-12(M6.6、17km)、#IW-13(M6.7、24km)がドミノ倒しのように連続発生。
翌日には#IW-14(M6.6、15km)がエリア南西部で発生。
駆動メカニズム
アスペリティの自然な力学的飽和を待たず、M9.0の超巨大な歪み変化(荷重)により、システムは強制的に「既存の幾何学的レールを高速で埋める」状態に移行。ランダムに推移したように見える震源群は、実際には相関係数1の完全線形のL4(#IW-1/#IW-10/#IW-15)およびL5(#IW-1/#IW-8/#IW-11)に位置した震源群を中心に推移。事前に設計されたようにL4/L5の「地殻の溝(ガイドレール)」に沿って位置している震源群は整列。
第4期:秩序再編と最新特異点フェーズ(#IW-15 〜 #IW-17)
【期間】2011年後半 〜 2026年(約15年間) / 軌跡:時計回りへの再編
個別震源の挙動
大震災直後の混乱期を経て、#IW-15(2011年11月、M6.7)、#IW-16(2012年、M6.6、52km)へと推移し、軌跡は再び時計回りへシフト。
そして、前回のM6.5以上から約15年間の長い沈黙(幾何学的エネルギー充填)を経て、2026年6月に深層部(44km)で最新の#IW-17(M7.2)の段数特異点#SP-13が発生。
駆動メカニズム
#IW-17の物理的役割は、大震災(第3期)が残した広域的な歪みの「不整合」を事後調整し、システムを定常状態へ戻す復元・再ロックモードとみられる。 数理的には、#IW-17は東日本大震災当日の#IW-10および2012年の#IW-16とを結ぶ縦方向のL12(角度-85.4°、R²=0.9992)によって拘束。これにより、幾何学的中心はGC0から南西のGC(143.32, 39.262)へと大きく推移。北側の浅部ブロックに残留していた応力は44kmの深部の段数の特異震源へと「荷重転嫁」され、エリアを幾何学的な安定へと収束。

その他、L8(#IW-4/#IW-5/#IW-14)における東経/北緯 vs Mの相関係数0.9998やL9(#IW-4/#IW-9/#IW-13)の相関係数0.9999~1の縛りもあり、地震発生はランダムではなく、予定調和的に発生していることを伺わせる。

Thursday, June 25, 2026

三陸沖周辺の特異震源の解析(ミクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で7番目の三陸沖M7.1の震源#SP12-7に関して、緯度経度は共通グリッドの深さ違いの15震源について解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と特異点近傍震源データ(#SP12-7との深さ違いグリッド)]

気象庁データ(1919/01-2026/05)から#SP12-7との深さ違いグリッドの15震源のデータを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-7 の1段目/2段目の初期値M4.8(##7)/M7.1(##11)も含まれている。なお、##11までは2011年の東日本大震災より以前、#12~#15が以降となっている。


[特異点近傍の震源推移]

下の図1に示すように##1~##9までは時計周り、##-9で反転、##9~##14では反時計周り、##14で変曲し、##15に至る。##7が特異震源#SP12-7の一段目、##11が二段目。


[特異点近傍の震源間相関直線とその傾き、およぴ幾何的中心]

10本の震源間の高相関式とその傾き・切片・(東経に対する)角度・相関係数は以下の通りで図1の震源間推移に赤線で重ね書きしたものを図2に示す。L1はほぼ完全相関でR² = 1。L1/L5はほぼ平行、各々特異震源の一段目と二段目を含むL10/L8はほぼ直交。なお、共に図示されたGCとGC(all)については後述する。



これら10本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式 y = -143.13x + 39.88の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ14本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した
 10相関式から算出       GC (143.13, 39.88)
14本の線分群から算出  GC(all) (143.13, 39.895) 
ただし、##6/##7は同一東経であり傾きの分母が0となるため、GC(all)の計算から除外しており、実際は13本からの算出。
その結果、幾何的中心GCはL1/L4の交点の北東付近、GC(all)はL2~L4およびL8に囲まれた領域に位置しており、最多5本の相関直線群が集中する##5に対して、それぞれ東側と南側に位置している。

[震源間相関直線L1~L10におけるパラメーターとの相関]

下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


特異震源近傍の震源間相関直線L1~L10におけるパラメーター間の相関高めの図(東経 vs 北緯 以外)を以下に抜粋した。

L1(##1/##4/##5)…東経 vs 北緯のみ高相関で、相関係数は1。

L2(##1/##3/##15)…東経 vs 北緯のみ高相関で、相関係数は0.9963。

L3(##2/##3/##5)…東経 vs 北緯の他、東経/北緯 vs 深さでも高相関。



L4(##2/##9/##10)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 深さでも高相関。


L5(##2/##9/##12)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経/北緯でも高相関。



L6(##3/##4/##6/##11)…東経 vs 北緯では4震源間の高相関(R² = 0.9999 )。3震源ではその他の高相関もあり。


L6(##4/##6/##11)…東経 vs 北緯は完全相関(R² = 1)の他、日時 vs M、東経/北緯 vs 北緯差でも高相関。



L6(##3/##6/##11)…東経 vs 北緯 の高相関以外に、日時 vs M、東経/北緯 vs 北緯差でも高相関。





L6(##3/##4/##11)…東経 vs 北緯のみ高相関(R² = 0.9999 )。

L6(##3/##4/##6)…東経 vs 北緯の高相関以外に、東経/北緯 vs Mでも高相関。



L7(##5/##7/##9)…東経 vs 北緯のみ高相関で完全相関(R² =1 )。

L8(##5/##10/##11)…東経 vs 北緯の高相関以外に、東経/北緯 vs M、東経/北緯 vs 東経差ΔEでも高相関。





L9(##6/##12/##14)…東経 vs 北緯のみ高相関で完全相関(R² =0.9998 )。

L10(##7/##12/##13)…東経 vs 北緯のみ高相関で完全相関(R² =0.9980 )。

[震源間相関とその物理的挙動の推測] 

2震源間線分でもL1・L5に水平・垂直な直交系の下表の線分群があり、もう1つの直交系L8/L10、4震源を含むL6が震源推移の主要骨格を成しており、その他の震源相関直線を省略したものを図3に示す。



 ■前半サイクル:時計回りのエネルギー分散と深度上昇(##01 〜 ##08)

【Step 1】##1 → ##2 → ##3 → ##4 (1960年3月〜1963年10月)
震源の推移:  最も深い領域(深さ30km・M5.7)の##1から開始し、##2(19km)→ ##3(6km)→ ##4(2km・M4.3)へと、時系列に沿って狭い範囲で浅部へと突き上げる急激な深度上昇(上昇リレー)を伴って、東経北緯平面の三角形の領域を囲う時計回りの移動 。
拘束メカニズム: ##1と##4は、最多の相関直線が集中するハブ的な震源##5とともに、完全相関ライン L1(相関係数  = 1、角度76.3°)を形成 。  ##02と##03は、##05とともに L3(角度-19.7°)を形成し、このL3上では東経北緯平面だけでなく「東経/北緯 vs 深さ」でも相関係数 0.9978の高い相関で3次元的に線形拘束されており、L1とL3は96.0°と直角に近い角度で交差、とくにL3上の線分##2/##5(角度-14.0°)であり、L1との角度は90.3とほぼ直交。さらに線分##3/##4はその南西側の##6[Step2]/##11[Step3]へ相関係数0.9999で伸びるL6に拘束されている。
物理的解釈: 深部(30km)での極大値M5.7(##1)によって生じたストレスが、L1とL3の特定の物理的レールに沿って急速に上方移行し、最浅部(2km)の##4に達して一旦このエリアのストレスが開放された 。

【Step 2】##4 → ##5 → ##6 → ##7 → ##8 (1963年10月〜1970年9月)
震源の推移:  最浅部##04に達した後、東経北緯平面上で時計回りの軌道を維持しつつ南下、幾何学的中心GCの北側にあるハブ震源##5:17km、更に##06:20kmへと再沈降 。その後、##6から急激に最浅部の特異震源(0km・M4.8)の##7へと上昇、再び東側の##8(14km)へと沈降・推移 。[Step 1]の三角形を囲う時計回りの推移に対して、約3倍の面積の四角形の領域を囲う時計回りの推移。
拘束メカニズム: やや浅い(17km)##05は全体推移の軸的な役割を果たしており、L7(##5/##7/##9、角度-46.0°)はごく浅い(0km)特異震源##7を幾何学的に拘束、さらに深部領域##09(25km)をも拘束している(##9は[Step3])。
物理的解釈:  浅部での狭い範囲での弱い部分での破壊が進んで表層でのストレス遷移が一段落後、ストレスは系の構造的中心のやや浅い(17km)のハブ震源(##5)に回帰、深部領域20kmの##6で浅部~深部のストレス蓄積が限界に達し、深部から一気に地表付近の開放端でもある特異震源1段目の##7(0km深さ)でストレスを開放(M4.8) 。##8への遷移は、[step2]の時計回りサイクルの始点##4近くの東端へ戻っていくプロセス 。 

 ■ 中盤サイクル:反転・収束と特異震源2段目M7.1の発現(##8 〜 ##11)

【Step 3】##8 → ##9 → ##10 (1970年9月〜1974年2月)
震源の推移: ##8から南側のハブ#5(17km)近くの深部領域##9(25km)へ移行、##5~##9でほぼ四角の領域が閉じる「反時計回り」への軌道反転が発生 。その後、L4(##2/##9/##10)に沿って、更に深い##10(27km)へと推移 。
 拘束メカニズム: L4(角度53.6°)は##2/##9/##10の各震源の東経北緯を拘束するだけでなく、深さも日時と共に線形で深くなる線形で拘束(相関係数0.9938)。
物理的解釈:  1960年以来続いたごく浅い~やや浅い震源深さでの時計回りのクローズドな応力巡回が限界に達し、系全体の幾何学的底面(25〜27kmの深部プレート境界)へストレスがが集中・蓄積したプロセス 。時間軸と深度が同期(L4)しながら反転・収束へ向かう##11のM7.1への準備期間 。  

【Step 4】##10 → ##11 (1974年2月〜1989年11月(特異震源2段目M7.1))
震源の推移:  約15年間の長い静穏期(エネルギー蓄積期間)を経て、系の南西端かつ最浅部(0km)において、本グリッド最大の特異震源 ##11で(M7.1、段数2)発生 。
拘束メカニズム: ##11は、最多4震源を高相関0.9999で結ぶ L6(##3/##4/##6/##11、角度40.3°)および L8(##5/##10/##11、角度23.4°)の交点。L6が東経北緯だけでなく、##4以降では「日時 vs M」が相関係数1の完全相関で拘束されており、##11の発生日時は予定調和的に決定されており、場所についてもL8との交点近くと1つ手前の##10発生時点でほぼ拘束されていた。
物理的解釈: [Step2]の##7 同様、約15年かけて時計回りで囲われた東部領域の浅部~深部に蓄積されたエネルギーが限界に達し、行き場を失ったその前の深部##10(27km)から一気に南東端の地表付近の特異震源2段目の##11(0km深さ)でストレスを開放(M7.1)。中心軸的な##05を支点として、東部の浅部~深部に蓄積されたエネルギーが南西端のアスペリティ(##11)へ一気に集中し、M7.1の巨大なアスペリティ破壊(特定震源グリッド2段目)に至った 。 

■ 後半サイクル:M7.1後の反時計回りによる再調整と変曲(##11 〜 ##15)

【Step 5】##11 → ##12 → ##13 (1989年11月〜2026年4月)
震源の推移:  ##11のM7.1後、2011年東日本大震災の超巨大応力変化を跨ぎ、約35年以上の時間をかけてL10に沿って、##12(19km)、さらに北西の##13(16km)へ推移 。##8以降で##14まで反時計回りで推移。##15で変曲。
拘束メカニズム: ##12は、過去の反転起点である##2、##9とともに L5(角度76.4°)を形成 。このL5は、前半の急上昇ラインL1と「ほぼ平行」であり、図3に示したようにL1/L5と垂直な線分が多数あることからこの領域では構造的にこれらの直交直線群の格子状断層群が潜在的に存在、震源推移と共に主要な南北のストレス伝達の震源ラインがL1からL5に推移したと推測される 。L5上では「日時 vs 東経/北緯」が 高相関(相関係数0.9916)で時間とともに南東へ等速推移 。##13は、特異震源1段目(##7)、ポストM7.1震源(##12)とともに L10(角度-64.5°)を形成し、これはL8(##10/##11を含む)と「ほぼ直交」
物理的解釈:  ##11および東日本大震災によって系の応力バランスが大きく更新された後、大震災以降(##12〜)のストレスは、かつてのL1と平行な「新・並行ルート(L5)」を等速で移動しながら、特異点1段目の応力軸(L10)を逆行・刺激する形で、反時計回りにエネルギーを再配分 。  
【Step 6】##13 → ##14 → ##15 (2026年4月〜2026年5月:直近の急激な変動)
震源の推移:  2026年に入り、##13から2週間で西側の##14(17km・M5.4・段数2)へシフトし、さらに12日間で最西端の##15(16km・M4.9)へと変曲・横移動 。  
拘束メカニズム: ##14は、##6、##12とともに L9(角度-41.7°)によって線形拘束(相関係数 0.9999)。最近の到達点##15は、初期の##1、##3とともにL2(角度11.0°)のライン上に拘束され、系の西端に至る。  
物理的解釈: 反時計回りの過程で ##11のM7.1が発生、余震として#11を含むL8にほぼ垂直な##7を含むL10上の#12/#13に再配分。#12以降では中心軸#5(17km)とほぼ同じ深さの19~16kmで推移、20km台を中心に再チャージに推移。M7.1の準安定化の過程で#14まで続いた反時計回りが中断し、#15に至る。

■ 結論(メカニズムの総括)
この15震源の推移メカニズムは、単なるランダムな群発地震ではなく、「L1/L5の平行断裂スリット」と「L8/L10の直交応力軸」という、グリッド内にあらかじめ存在する幾何学的な構造骨組み(スキャフォールド)に沿って、応力が時計回り・反時計回りに流動する循環システムとみなされる 。

#SP-13 岩手県沖周辺の特異震源の解析(ミクロ的解析)

 [背景] 気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源はこれまで12震源しか存在しなかったが、先月2026年6月での岩手県沖のM7.2が2段目で発生し、13番目の特異震源と...