Tuesday, April 14, 2026

#SP12-5 浦河沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で5番目の浦河沖地震の震源#SP12-5に関連して、マクロ的な震源域である浦河沖でのM6.2以上の解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M6.2以上)]
気象庁データ(1919/01-2026/01)における浦河沖の全震源を含む矩形エリアからM6.2以上を抽出。UR6-1~UR6-12の12震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-5 (UR6-9)の2段目初期値M7.1(1982年浦河沖地震)も含まれる。


[M6.2以上の震源推移]
下の図1に示すようにUR6-1~UR6-3まではほぼ直線上を往き来、UR6-2~UR6-6までは右手周り方向に推移、UR6-6で左手周りに屈曲後、再びUR6-6~UR6-11まで右手周りに推移、UR6-11で左手周りに折り返し、UR6-12に至る。UR6-9~UR6-11では相関係数1の直線上に位置しており、後半の右手周りの一部と解釈している。


[M6.2以上の震源間相関直線と幾何的中心]
図2として、図1に直線上に震源群を結ぶ4本の相関線を追記した(L1 ~ L4)。


4本の相関式と相関係数は以下の通り。
L1 y = 1.1615x - 123.95 R² = 0.9920(UR6-1/UR6-2/UR6-3/UR6-5)
L2 y = -0.4725x + 109.27 R² = 0.9999(UR6-1/UR6-7/UR6-11)
L3 y = -0.9451x + 176.83 R² = 0.9933(UR6-3/UR6-8/UR6-9/UR6-10/UR6-11)
L4 y = 0.7272x - 61.875 R² = 0.9996(UR6-5/UR6-7/UR6-12)

これら4本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式 y = -142.75x + 41.881の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GC(142.75, 41.881)が得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ11本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図3で追加した
 4相関式から算出       GC (142.75, 41.881)
 11本の線分群から算出 GC(all) (1142.71, 41.923)
その結果、幾何的中心GCはL1とL3の交点近く、GC(all)は反転ポイントUR6-6と次の震源UR6-7との中点とほぼ一致。図3にUR6-6と次の震源UR6-7の中点も追加した。


GCの算出元となっている4本の相関式L1~L4のうち、L1とL3はそれぞれ重複しない4つと5つの合わせて9つの震源から算出されており、4本の相関式に関わる10震源のうちのほとんどをカバーしており、L1とL3の交点近くにGCが位置するのはごく自然な結果と見なせる。一方、GC(all)がUR6-6とUR6-7の中点とほぼ一致するのもUR6-2~UR6-6(5震源)とUR6-6~UR6-11(6震源(注))の2組の連続した右手周りの震源群の変曲・重複区間の中点とほぼ一致するのも極自然然な事と思われる。また、L3上のUR6-10とL4上のUR6-12がそれぞれ線分UR6-4/UR6-5、線分UR6-5/UR6-7との交点近くに位置している。
注)UR6-6~9までは再び右手周りで、UR6-9~11までは相関係数1の直線上を推移で向きが変わっていないため、UR6-6~UR6-6-11までをもう一つの一連の連続した右手周りと見なしている。

更にL1と線分UR6-6~UR6-7がほぼ平行、その間隔と線分UR6-6~UR6-7とUR6-10の距離がほぼ同じに見える事、更にUR6-10とUR6-9の距離も同様に見える事から、新たな定義として線分UR6-6~UR6-7をL5、L5と平行でUR6-10を通る直線をL6、それらと平行でUR6-9を通る直線をL7として、図4として図示した。


追加の直線群のL5~L7を含めた数式とその傾きのarctanによる東経に対する傾きは以下の通り。

L1 y = 1.1615x - 123.95  49.2°
L2 y = -0.4725x + 109.27 -25.3°
L3 y = -0.9451x + 176.83 -43.4°
L4 y = 0.7272x - 61.875   36.0°
L5 y = 1.1562x -123.08    49.1°
L6 y = 1.1562x -123.076    49.1°
L7 y = 1.1562x-122.807   49.1°

L1及びL5~L7とL3の成す角=49.2°(49.1°)-(-43.4°)
                =92.6°(92.5°)
⇒L1及びL5~L7とL3の成す角はほぼ垂直。

[震源間相関直線群と実際の地質構造との比較]
震源間相関直線L1~L4の座標平面上の傾きと実際の地質構造との比較結果は以下の通り。角度は東経軸基準。
L1…走向 約49°(北東-南西方向): 千島海溝の走向(トレンチ軸)とほぼ平行
L2…走向 約 25°(西北西-東南東方向)
L3…走向 約 43°(北西-南東方向):日高衝突帯(日高山脈)の南西方向にほぼ平行
L4…走向 約 36°(北東−南西方向)
前述のように2つの主要な相関線L1とL3はほぼ直交しており、L3は単なる断層ではなく、プレートが日本列島下に突き刺さっていく「応力の主軸」および「スラブ(沈み込むプレート)の経路」、L1は押し込んでくるプレートに対して垂直に立ち塞がる、海溝に平行な構造的な「壁(逆断層系)」を形成しているように見えている。
L3ライン上の震源群の水平距離と深さの差からのスラブ傾斜角の算出は以下の通り。
① 全体の沈み込み角度(UR6-11 から UR6-8)
UR6-11(南東端): 北緯41.75度、東経142.88度、深さ43km 
UR6-8(北西端): 北緯42.416度、東経142.2度、深さ130km 
2点間直線距離 約93km、深さ差87km⇒傾斜角: Arctan(87 / 93) =43.1°
② 深部への急傾斜セグメント(UR6-10 から UR6-8)
UR6-10(中間部): 北緯42.0度、東経142.661度、深さ64km
UR6-8(北西端): 北緯42.416度、東経142.2度、深さ130km
 2点間水平距離: 約60km、深さ差: 66km⇒傾斜角: arctan(66 / 60) =47.7° 
北海道沖から沈み込む太平洋プレートは、海溝付近での浅い角度から深部に進むにつれて折れ曲がって深さ100km付近では約40°〜50°の急傾斜になるとされており、上記の結果は太平洋スラブの観測形状と大筋で一致。深発地震130kmのUR6-8より以降のL3上で連続発生しているUR6-9~UR6-11の震源は40~64kmのやや深い震源域での発生で東経 vs 北緯が相関係数1の一直線上で推移(相関関係については後述)。これらL3の南東側の震源群は深さ方向ではスラブ傾斜沿いではない挙動が見られる。
次にL1とL5~L7までの距離を近似的に求める。ここではL1とL3がほぼ垂直な事とL3の震源群のうちのUR6-9/UR6-10/UR6-11の3震源が相関係数1の直線上に位置している関係(相関関係については後述)を利用する。
L1のみ傾きが異なるので、まずはL1とL3のうちの相関係数1の直線部(UR6-9~UR6-11)との交点を求める。
L1の相関式とL3の直線部の相関式と交点Aの東経北緯の座標は以下の通り。
L1: y = 1.1615x - 123.95
L3直線部(UR6-9~UR6-11):y=-1.1064+199.84(相関関係については後述)

交点Aの東経北緯座標 =(142.7708, 41.87834)
同様にL5の線分UR6-6/UR6-7とL3の直線部の相関式と交点Bの東経北緯の座標は以下の通り。
L5(UR6-6/UR6-7): y = 1.1562x - 123.08
L3直線部(UR6-9~UR6-11):y=-1.1064+199.84
交点Bの東経北緯座標 =(142.7208, 41.93375)
この結果からL3上の震源群のうちのUR6-9~UR6-11の直線部での線間距離は以下の通り。
L1(交点A)/L5(交点B)間の距離: 7.4km
L5(交点B)/L6(UR6-10)間の距離: 8.8km
L6(UR6-10)L7(UR6-9)間の距離: 9.0km
上記、結果よりL6/L7間隔とL5/L6間隔はほぼ同じ(ややL5/L6間隔の方が小)で、L1/L5は他2つより2割ほど小さい。これはL1付近での障壁による圧縮効果と推測され、その傾向はL6/L7間隔とL5/L6間隔の比較にも傾向として現れている。

[M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーターとの相関]
下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。L5~L7については震源数が1~2なので非対象とした。


M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーター間の相関高めの相関図を以下に抜粋した。l1/L3では複数の震源中で特定の震源間のみで高相関の場合があり、抜粋された震源間での高相関のみ表示した。

L1…4震源の相関係数は0.992とやや低いが、3震源UR6-1/UR6-3/UR6-5の相関係数は0.9982。




L2…4本の震源間相関直線L1~L4の中でも最も東経vs北緯の相関係数が0.9999と最も高い。そのためか、日時 vs 深さの相関係数も0.9996と高い。日時 vs 深さの高い相関係数は初期のUR6-1、中間のUR6-7、末期のUR6-11が途中辻褄を合わせながら一定の平均速度で浅い震源へと推移している様子を伺わせる。



L3…の震源間相関直線L1~L4の中で含まれる震源が5つと最も多く、特異震源であるUR6-9を含む。そのためか、高相関が多い。東経 vs 北緯の相関で連続した震源UR6-8/UR6-9/UR6-10の相関係数は1。4本









L4…震源3つからの相関直線。



[震源推移メカニズム(仮説)]
  1. L1(トレンチ軸)の形成…千島海溝とほぼ平行に沿って深さ76kmの#UR6-1からやや深い49kmのUR6-2、41kmUR6-3で40km台で浅い震源に対するエネルギー障壁を形成(スラブ上の海山等によるスタッド形成等によるスタックで地震エネルギーの蓄積開始)。同時にUR6-2からの右手周りの震源推移が始まる。規模はM6.2~M6.4。
  2. ごく浅い震源(0km)でのエネルギー導賂の開放…40km前後で蓄積したエネルギーが北東-南西方向のL1の壁を突き抜ける事ができず、L1/L3交点の西側の地表近く0kmのUR6-4でM6.8として発散。この地震により深い震源側からのM6.8大の導賂が形成。以降、エネルギー導賂をパスと略記。
  3. L1(トレンチ軸)の完成…一番北東側のUR6-5のM6.3でL1が完成。L1の4震源はM6.2~M6.4で規模がほぼ揃っており、最初のUR6-1・中間のUR6-3・最後のUR6-5の間での日時 VS 北緯の相関係数は0.997(vs 東経では0.9905)、かつ、これら3震源ではL1上を東経 vs 北緯の相関係数0.9982と高め。
  4. L6の予約…UR6-4~UR6-5によるUR6-10/L6/L5/L7の予約…0kmのUR6-4とL1上のUR6-5の線分とL3の交点との交点はUR6-10とほぼ一致しており、L3の構成要素であるUR6-10およびL6の予約が発生。L6と平行(L1ともほぼ平行)で、L6/L1とのほぼ中間部にある(実際にはL1付近のスタックによる圧縮でややL1寄り)のL5(UR6-6/UR6-7)の予約も成立。L6と平行、L5/L6間隔とほぼ同じ間隔のL6/L7のL7上にあるUR6-9のM7.1の震源の東経北緯の位置も予約された。
  5. L2による二つの右周り震源群終点の予約…一連の震源群の始点UR6-1、最初の右周り震源群かつL5の終点であるUR6-7、二つの右周り震源群の終点であるUR6-11の三震源を日時 vs 深さの相関係数0.9996で拘束するL2により、UR6-11の深さが拘束。UR6-1/UR6-7の発生時間差は42.7年、UR6-7/UR6-11の発生時間差は43.1年でその差は半年未満でほぼ同期間。発生時期も予約されることで、UR6-11の発生深さもほぼ特定された。
  6. スラブ面やや深発部でのバス開放…L1の壁が完成後、L1から離れた深さ54kmのUR6-6のM6.8により、0kmのUR6-4とM6.8でつながるパスが開放。UR6-6は次のUR6-7同様に59kmのやや深発部での震源で、両震源は日高衝突帯(日高山脈)のスラブ沈み込み方向のL3の主軸パスに垂直に位置するエネルギー障壁を形成。その断層面でM6.8以下の地震のトラップとして機能。後日、L3上でUR6-10が発生。
  7. 二つの右手周り震源群の変曲・重複(L5上)…L5(UR6-6/UR6-7)の区間はL3に対するエネルギー障壁であると同時に、それまでの震源群の右手周りと以降の右手周りで変曲・重複する区間。同時にこの区間はL3をほぼ垂直に跨ぎ、そのほぼ中点に幾何的中心GC(all)が存在、GC(all)を境に二つの右手周り震源群が変曲・重複している。
  8. スラブ面深発部のスタック開放…UR6-8はL3上北西端に位置するM6.9・深さ130kmの深発地震で、このスラブ面上に位置する地震により、日高衝突帯(日高山脈)の走向と平行する主軸L3上のスラブ面深発部のスタックが解放。0km~130kmまでM6.8~M6.9のパスが接続。
  9. 40km障壁におけるL7上M7.1の発生…上記パス接続により、40kmより深いスラブ面での摺動がL3軸でM7.1が発生したが、L1の深さ40kmの障壁に跳ね返され、深さ40kmでの歪発散という形で、前記UR6-9のM7.1が発生。L1の障壁はM7.1に対してはL5付近まで及び、L6とUR6-10付近で交差するUR6-4(0km)~UR6-5(60km)の断層面は開放端として機能、これらで蓄積されていた地震エネルギーもドミノ的に吸収して、L7上の深さ40kmのUR6-9でM7.1としてエネルギー発散したものと見られる。このM7.1は12の特異震源のうち、5番目の最北端に位置し、南への折り返し地点でもある。
  10. M7.1起因の歪の補正…M7.1以降のUR6-9/UR6-10/UR6-11の3震源はL3の中でも東経 vs 北緯の相関係数が1と高く、発生順に北西から南東に向けて一直線上に位置。前述のようにUR6-10の発生位置とUR6-11の深さ・発生時期は既に予約されていた。
  11. UR6-12(52km)の発生…線分UR6-5(59km) / UR6-7(60km)との交差付近でトラップされて発生。これら3震源でL4を形成。相関係数は0.9996。UR6-12(52km)は線分UR6-5(59km) / UR6-7(60km)より浅いせいか、他の震源がM6.3/M6.2に対して、より大きいM6.7で発生。
[まとめ]
浦河沖の一連のM6.3以上の震源群は二つの右手周り震源群が重複・変曲して互いに密接な関連性で予定調和的に発生のしていた可能性あり。

Wednesday, April 1, 2026

#SP12-3 伊豆大島周辺の特異震源の解析(ミクロ解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で3番目の伊豆大島近海地震の震源#SP12-3に関連して、同一グリッド震源群での解析を行い、その幾何的構造とその意味について検討した。

[データ範囲と震源データ]

気象庁データ(1919/01-2026/01)における伊豆大島近海の全震源から特異震源#SP12-3の同一グリッドの震源は71震源あり、解析するには多すぎるため、M3.3以上の##1~##14の14震源に限定して抽出。これらを対象に解析を行う。##1は1段目の初期値、##7は2段目の初期値M7となっている。


[特異震源#SP12-3の震源推移(M3.3以上)]

下の図1に示すように##1~##12までは右手周り方向に推移、##12~##14では反転して左手周りに推移しており、##12が反転ポイントになっているように見える。


[特異震源#SP12-3の震源推移(M3.3以上)の震源間相関直線と幾何的中心]

図2として、図1に直線上に震源群を結ぶ5本の相関線を追記した(L1 ~ L5)。


5本の相関式と相関係数は以下の通り。

 L1 y = 1.1942x - 131.58 R² = 0.9992 (##1/##8/##12)
 L2 y = 0.662x - 57.425  R² = 0.9996 (##1/##10/##11)
 L3 y = 4.3846x - 575.85 R² = 0.9918 (##2/##3/##10)
 L4 y = -0.6791x + 129.37 R² = 0.9999 (##3/##4/##11)
 L5 y = 0.467x - 30.268  R² = 0.9996 (##7/##8/##13)

これら5本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式  y = 139.27x + 34.77 の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GC(139.27, 34.77)が得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ13本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると、各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した。

 5相関式から算出    GC   (139.27, 34.77)
 13本の線分群から算出 GC(all)  (139.31, 34.797)

その結果、特異震源#SP12-3の始点##1を通る震源間相関直線L1/L2のうち、幾何的中心GCおよびGC(all) は##10/##11との震源間相関直線L2上に幾何的中心の座標GCおよびGC(all) は位置しており、これら5点の相関係数は0.9990。GC(all)は##13/##14の延長線とL2との交点付近、もう一方のGCはL2/L3交点の##13付近に位置しており、変曲点##12までの区切りとして位置しているように見える。

[震源間相関直線L1~L5におけるパラメーターとの相関]
下表のようにパラメーターとして、一つ前の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


震源間相関直線L1~L5におけるパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。東経 VS 北緯以外の明確な高相関が得られたのはL3のみ。

L1…特異点始点##1(1段目初期値)と変曲点##12を両端に含む震源間相関直線。日時 vs Mの相関係数が1になっているが、##8/##12の値が同一のためであり、参考として提示。



L2…L1と特異点始点##1(1段目初期値)を共有、変曲点##12の手前の##10/#11を両端に含む震源間相関直線。日時 vs Mの相関係数が1になっているが、##8/##12の値が同一のためであり、参考として提示。GCとGC(all)を除く相関係数は0.9996。


L3…特異点1段目・2段目初期値や変曲点##12を含まず、L1~L5の中で最も東経VS北緯の相関係数が低い。一方で唯一、他のパラメーター間との明確な高相関を有する。




L4…l3同様に特異点1段目・2段目初期値や変曲点##12を含まない一方、L1~L5の中で最も東経VS北緯の相関係数が高い。


L5…L1~L5の中で唯一特異点2段目初期値M7を含む。


[震源間相関直線群と実際の地質構造との比較]

震源間相関直線L1~L5の座標平面上の傾きから、北を基準とした走向をarctan で求めた結果は以下の通り。
L1…走向 約 N40°E(北東−南西)
L2…走向 約 N56°E(北東−南西)
L3…走向 約 N13°E(北北東−南南西):北伊豆断層帯の走向 約 N15°Eとほぼ一致
L4…走向 約 N56°W(北西−南東):伊豆半島南部やその東方沖には北西−南東方向の右横ずれ断層が発達、その主軸たる1974年伊豆半島沖地震を起こした石廊崎断層の平均走向 N58°Wとほぼ一致。
l5…走向 約 N65°E(東北東−西南西)

L1(N40°E)、L2(N56°E)、L5(N65°E)は、東北東−西南西方向のラインであり、これらはフィリピン海プレートの沈み込み境界(相模トラフの走向)と平行な成分であると同時に、伊豆諸島の火山列に沿ったマグマの貫入方向(割れ目噴火に伴う引張応力の伸張軸)とも類似性が見られる。
特に、システム全体の重心(GC)を貫くL2(N56°E)は、この領域における広域的なプレートの引きずり込み、あるいは火山性のテンションの最も安定した主軸である可能性がある。
これらの類似性は伊豆半島〜伊豆大島近海における、フィリピン海プレートが本州に衝突する事による北西−南東方向から強い圧縮応力に伴う、伊豆周辺には特徴的な「X字型」の共役断層(左横ずれ断層と右横ずれ断層のペア)の発達を反映している可能性を示唆している。

[まとめ]
特異震源#SP12-3のグリッドにおける震源群の簡易的な幾何的解析が実際の地質構造を反映している可能性がある。また、震源の東経北緯の座標推移で##1~##12まで右手周りが連続している事実は震源推移が明確な法則下にあることも示唆している。

Thursday, March 26, 2026

#SP12-3 伊豆大島周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景]

12の特異震源の3番目、伊豆大島周辺にある#12-3について、同エリアのM6以上の震源を気象庁有感地震データベースから抽出、解析することにより幾何的特徴を見出し、その物理的意味を検討する。

[データ範囲と震源データ(M6以上)]

気象庁データ(1919/01-2026/01)における伊豆大島近海の全震源を含む矩形エリアからM6以上を抽出。IZ6-1~IZ6-11の11震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-3も含まれている。

当該領域設定の下では、各震源系列を近似する回帰直線群において、傾きおよび切片のメタ相関が1となるが、その傾きおよび切片から導出される幾何的中心と特異震源との位置関係、および回帰直線群の幾何的特徴有無を確認した。

更には震源群の発生日時とその他のパラメータとの相関も確認した。

[M6以上震源リスト]

気象庁データ(1919/01-2026/01)から伊豆大島近海の矩形エリアから抽出したM6以上の地震IZ6-1~IZ6-11は以下のリストの通り。場合により#1~#11と略記。


[M6以上の震源推移]

下の図1に示すようにIZ6-1~IZ6-6までは左手周り方向に推移(IZ6-1とIZ6-2は同一震源)、IZ6-6~IZ6-11では反転して右手周りに推移しており、IZ6-6が反転ポイントになっているように見える。IZ6-5IZ6-8は12の特異震源#SP12-3の段数1段目(M6.1)と2段目(M7.0)である。IZ6-2(IZ6-1と同一震源で規模はIZ6-1での初期値に次ぐ)を除き、IZ6-6~IZ6-11は各震源グリッドでの1~3段目の初期値。


[M6以上の震源間相関直線と幾何的中心]

図2として、図1に直線上に震源群を結ぶ4本の相関線を追記した(L1 ~ L4)。


4本の相関式と相関係数は以下の通り。
 L1 : y = 0.6276x - 52.621  R² = 0.9983 (IZ6-4/IZ6-8/IZ6-10)
 L2 : y = -0.7267x + 135.94  R² = 0.9999  (IZ6-5/IZ6-9/IZ6-10)
 L3 : y = 0.0491x + 27.931  R² = 0.9855 (IZ6-6/IZ6-8/IZ6-10)
 L4: y = 0.7746x - 73.092  R² = 0.9968 (IZ6-8/IZ6-10/IZ6-11)
これら4本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式 y = -139.53x + 34.875の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GC(139.53, 34.875)が得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ10本の線分群(IZ6-1/IZ6-2は同一震源のため、実質9本の線分群)から得られる幾何的中心をGC(all)、とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した
 4相関式から算出   GC (139.23, 34.762)
 10本の線分群から算出 GC(all) (139.53, 34.875)
その結果、幾何的中心GCはIZ6-10とほぼ一致(L1~L4は各震源群に全てIZ6-10を含んでいるため、ごく自然な結果と思われる)、GC(all)は左手周りから右手周りの反転ポイントIZ6-6と最終震源IZ6-11とのほぼ中点付近に位置している。図3にIZ6-6とZ6-11を結ぶ点線および中点、IZ6-1とZ6-6を結ぶ点線および中点を追加した。


GC算出の元となっている4本の相関式L1~L4は全て12の特異震源の一つSP12-3の1段目(IZ6-5)あるいはこの震源域最大のM7.0である2段目(IZ6-8)を含んでおり、この震源域の中心的存在となっている。震源深さも0kmであり、特異点としての特徴を備えている。
 GC~IZ6-8間 1.9km 角度74.2度
 GC~IZU-10間 IZU-10はGCから真東に0.15km
[M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーターとの相関]
下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


M6以上の震源間相関直線L1~L4におけるパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。L3では日時vs北緯との相関係数1が得られている。

L1IZ6-8/IZ6-10により相関係数は0.9983と高いが、相関直線数が少ないので採用した。深さvs東経差ΔEもIZ6-4とIZ6-8の深さが0kmで同じ。



L2…4本の震源間相関直線L1~L4の中でも最も東経vs北緯の相関係数が0.9999と最も高い。そのためか、他のパラメーターとの高相関が多い。





L3…l1同様にIZ6-8/IZ6-10により相関係数は0.9855と高目だが、相関直線数が少ないので採用した。日時 vs 東経の相関係数が1の高い相関が得られている。3つの震源がいずれもM7の特定震源IZ6-8以降である事が影響している可能性あり。





L4…l1同様にIZ6-8/IZ6-10の近接により相関係数は0.9968と高目だが、相関直線数が少ないので採用した。深さ vs 北緯についても同様の理由で相関係数高め。



 [まとめ]

今回の地震データも震源間の幾何学的・数理的な拘束性を見出せ、自然現象のランダムさを超えたシステム的な構造を強く示唆している。
GC(all)近くのIZ6-1~IZ6-4から離れた位置に特定震源#SP12-3の1段目であるIZ6-5に推移、GC(all)から見て反対側のIZ6-6でそれまでの左手回りから右手周りに反転、以降でGC寄りで推移。GC近くの特定震源#SP12-3の2段目であるIZ6-8でこのエリア最大のM7でエネルギーを震源深さ0kmで放出。次のIZ6-9~IZ6-10は相関係数0.9999のL2に沿ってIZ6-5に向かって推移。IZ6-10までで0~24kmの浅い震源での活動は一段落し、4つの相関直線(L1〜L4)はIZ6-10を含んで集約されている。最後のIZ6-11は震源深さ156kmでM6以上の活動を締めくくっている。反転以降のL3(IZ6-6、IZ6-8、IZ6-10)は相関係数1で時間的に以降での推移を支配しているように見えている。

#SP12-5 浦河沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景] 気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で5番目の浦河沖地震の震源#SP12-5に関連して、...