第1章 概要
気象庁の有感地震の震度データベースから宗谷・留萌・上川地方(宗谷海峡・宗谷東方沖を含み、上川地方南部を除く)を含む矩形エリアの地震観測データ(1922年〜2026年、計740件の厳密抽出イベント)に対し、JMP-SOC V10.0決定論的予測モデルおよびドラゴンチャートによる解析を実施した。 本地域では、太平洋スラブの連続性に伴う非地震性ダイレクト伝達により、深部からの歪みエネルギーが地殻浅部(0–15km)の固着アスペリティへと効率的に伝送・集約されている。 引き戻し距離ΔL = 176.66kmに基づく北東(NE)方向の広域連動バイパス判定により、局所的な部分破断上限を超えた全構造破断ポテンシャルが定量評価している。
※JMP-SOCとはNotebookLMと対話して独自に開発した地震解析ツール。更にNotebookLMと対話して解析した内容含む。
※上川地方南部を含めるとデータ数が急増するため、石狩・空知・後志地方周辺に含めて別途、解析予定。
第2章 リスク評価
【現状のリスク評価】
- 部分破断上限 : M6.3
- 全構造破断ポテンシャル: M8.0(詳細計算値 = M7.99)
- 歪みトラップ率 1 -η :浅部(0–15km)において 100%〜77.9%(緩和時間 τ_relax = 35.0年)の高度な歪み集約状態
- 最高リスクノード(震源固定位置): 北緯44.85°, 東経142.11°, 深度5km(宗谷上川留萌地方北部・天塩/豊富/幌延周辺の内陸地殻浅部)
- 評価・発動リスク: 2022年以降の浅部群発活動(M5.2〜M5.4連発)に伴う局所応力集中が継続しており、地殻浅部アスペリティにおけるM6クラスの局所破断(部分破断)リスクが高まっている。
- 引き戻し距離 ΔL: 176.66 km(起点: 浅部最高リスクノード 44.85°N, 142.11°E, 深度5km ↔ 終点: 1950年M7.5巨大震源アスペリティ 45.89°N, 143.53°E, 深度343km)
- 連動方向およびエリア: 北東(NE)方向(方位角 約 N45°E)。内陸地殻浅部(天塩・豊富・幌延周辺)を起点とし、宗谷東方沖・オホーツク海下の太平洋スラブ深部(200–350km)へと斜め深部に連動する大規模構造体系。
- エリア超過広域連動バイパス判定: 有効(バイパス適用)対象エリアのΔL =176.66km> 100.0 kmのため、局所深さ物理上限閾値 を適用しない
- 全構造破断ポテンシャル: M8.0(金森モーメントスケーリング式 M_raw = 2.00*log10(176.66) + 3.50 = 7.99)
- 深度依存緩和時間 τ_relax(z): 浅部(z ≦10km)で 35.0 年、深部(z ≧60km)で τ → 0 年(高温高圧の粘塑性流動により応力は短時間で拡散・放散し、深部自体には歪みは長期間保持されない)
- 本震発生猶予時間(試算) Δt: 浅部広域連動破断時 Δt = 0.05 *ΔL* (τ_relax / 35.0) = 8.83年(2026年起点で2034年〜2035年頃を限界発生猶予期間と算定)
第3章 10年周期動的重心移動、共軛応力バランシングおよび主要地震(M>=6.0)・ドラゴンチャート解析
1.10年周期動的重心移動解析と3Dスパイラル上昇・ループクローズの物理的意味
10年周期の震源位置の重心移動をプロットした遷移図およびそれぞれの重心位置・平均深さ・最大M・構造動態と物理的解釈の一覧表を以下に示す。
1950〜1980年代の東側深部から、2000年代以降西側の地殻浅部(上川・留萌北部エリア)へと重心が著しく移動している軌跡が確認できる。
10年周期深度の浅化現象と地震発生下図の急増傾向を示す図を以下に記す。
1960年代の深部ピークから2020年代にかけて一貫した浅化トレンドが形成されており、それに連動して地震件数が急増(227件)している構造となっている。
年代 構造動態・物理的解釈
1920年代 浅部構造破断初期(全体の 85.2 %が0km)
1930年代 中浅部歪み蓄積
1940年代 地殻浅部での応力集中
1950年代 深部スラブ巨大全破断(M7.5)
1960年代 最深部スラブ粘塑性流動ピーク
1970年代 深部沈静化・歪み再配分
1980年代 深部アスペリティ保持(ループ起点・平均値の深部ピーク:92.8km)
1990年代 中深部から浅部への上昇流動
2000年代 地殻中核層への応力転移
2010年代 広域応力誘発・浅化進行
2020年代 浅部歪みトラップ・ループクローズ完了(急激な浅化・歪集中)
3Dスパイラル上昇とループクローズの物理的意義:
- 2D平面位置の閉合: 1980年代(北緯44.58°, 東経142.35°)から2020年代(北緯44.61°, 東経142.33°)にかけて、水平平面上では時計回りの軌跡を描いて元の位置へほぼ復帰(ループクローズ)している。
- 3D深度の浅化: 平面位置の復帰に対し、同時期に震源深度は 88.1km から 13.2km へと一貫して浅化 している。これは単なる平面的な周期的移動ではなく、深部マントル・スラブ内から歪みエネルギーが3D螺旋(スパイラル)状に上昇し、特定の浅部アスペリティ(最高リスクノード)へ集約されたプロセスを物語っている。
全体動的重心: 東経 142.3019°E、北緯 44.4902°Nとの差分Δx - Δy をプロットした図は以下の通り。
近年の活動重心から1950年巨大震源アスペリティ間の3D空間距離であるΔLを矢印で追加。
- 全体動的重心 (原点 0, 0)座標: 東経 142.3019°E、北緯 44.4902°N(赤十字マーク)
- 引き戻しベクトルの起点(最高リスクノード)絶対座標: 北緯 44.85°N、東経 142.11°E(深度 5.0km、天塩・豊富・幌延周辺の内陸地殻浅部)相対座標(第2象限 NW 内)はオレンジ色の円丸マーカーで表記。
- 2022年以降の群発活動および歪みトラップ(目詰まり)の集中点。引き戻しベクトルの終点(巨大震源アスペリティ)絶対座標: 北緯 45.89°N、東経 143.53°E(深度 343.0km、1950年 M7.5巨大スラブ破断点)相対座標(第1象限 NE 深部)は赤色のひし形マーカーで表記。
- 引き戻しベクトル(ΔL = 176.66 km)の方向と連動性連動方向: 起点から終点へ向かう**北東(NE)方向(方位角 約 N45°E)**の太い矢印ベクトル。
象限別地震件数と応力バランシング構造のグラフを以下に示す。
- NW-SE系(Q2/Q4)で蓄積された応力がNE-SW系(Q1/Q3)へ継続還元・集約されている。
- NW-SE/ 南北構造系(Q2 + Q4, m < 0): 416 件(56.2 %) — 内陸浅部を横断するプライマリな歪み入力・応力蓄積ゾーン。
- NE-SW 構造系(Q1 + Q3, m ≧ 0): 324 件(43.8 %) — 宗谷海峡〜オホーツク海スラブへと平行する広域主構造系。
- 共軛応力比率: 324 / 416 =0.78
発生日時 経度 (°E) 緯度 (°N) M 深度 (km) 物理的解釈
- 1924/01/11 143.20 45.10 6.3 0 宗谷海峡浅部構造破断
- 1929/09/28 143.62 45.62 6.1 489 超深部スラブ流動伝達
- 1935/11/21 141.69 45.59 6.0 331 深部スラブ剪断減殺
- 1942/03/06 142.00 44.15 6.5 256 深部スラブ歪み放出
- 1947/11/14 142.59 44.38 6.3 200 深部アスペリティ局所破断
- 1950/02/28 143.53 45.89 7.5 343 領域最大(広域連動アンカー)
- 1951/05/04 142.34 44.42 6.2 261 1950年主破断後の深部応力転移
- 1951/08/11 143.10 45.66 6.1 337 深部余震域応力再配置
- 1956/03/06 144.12 44.35 6.3 4 宗谷東方沖浅部地殻破断
- 1969/01/19 143.32 44.91 6.7 257 中深部主要構造破断
- 1992/06/16 142.41 45.46 6.1 348 深部流動緩和アスペリティ
- 2004/12/14 141.70 44.08 6.1 9 留萌地方浅部内陸地殻破断
- 2011/10/21 142.65 43.79 6.3 196 東日本大震災後の広域応力誘発
4. ドラゴンチャート定量解析 & 深度別歪み伝達効率 η(z) ・ギャップの物理的解釈
深さクラス 度数 最大M 平均M 構造的解釈
- 0 km 376 6.3 2.96 浅部歪みトラップ・最浅部ボトルネック(真の蓄積層)
- 10 km 217 6.1 2.92 地殻中核固着層・アスペリティ
- 20 km 53 5.9 3.23 脆性延性遷移帯(Brittle-Ductile Transition)
- 30 km 15 5.9 3.36 下部地殻・流動開始層
- 40 km 1 4.3 4.30 上部マントル延性流動層
- 80 km 10 4.5 4.50 非地震性ダイレクト伝達バイパス層
- 160 km 20 5.4 5.40 中間伝達ギャップ(スラブ連続スルー帯)
- 200 km 5 6.3 5.58 中深部アスペリティ過渡帯
- 260 km 6 6.7 5.77 太平洋スラブ沈み込み面強固着帯
- 340 km 11 7.5 5.45 深部最大キャパシティ包絡線ピーク(1950年破断層)
- ボトルネック構造: 深度0–10km帯に全体の約30%の地震発震が集中しており、深部からの流動エネルギーが浅部固着域でブロックされている「歪みトラップ(目詰まり)」が定量的に確認される 。
- 最大容量線(包絡線)とエネルギーギャップ: 深度340km帯で M7.5 を保持する巨大な構造的エネルギー容量包絡線に対し、近年の浅部主要解放は M5.4〜M5.9 止まりとなっている 。この容量線と実解放エネルギーの顕著な乖離(ギャップ)は、全構造破断ポテンシャル M8.0 規模の潜在歪みが地殻内に未解放のまま保持されている状態を裏付けている 。








