Tuesday, June 9, 2026

#SP12-7 三陸沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で7番目の三陸沖M7.1の震源#SP12-7に関連して、マクロ的な震源域である三陸沖でのM7.0以上の解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M7.0以上)]

気象庁データ(1919/01-2026/04)における三陸沖の全震源を含む矩形エリアからM7.0以上を抽出。#SR-1~#SR-18の18震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-7 の2段目の初期値M7.1(#SR-9)も含まれている。



[M7.0以上の震源推移]

下の図1に示すように#SR-1~#SR-3までは時計周り、#SR-3で反転、#SR-3~#SR-5では反時計周り、#SR5で屈曲、#SR-5~#SR-8まで再び反時計回り、#SR-8で反転、#SR-8~#SR-12まで時計周り、#SR-12で屈曲、#SR-12~#SR-17で再び時計周り、屈曲して#SR-18に至る。#SR-9が12の特異震源の7番目、#SR-13がM9.0の東日本大震災の震源。

[M7.0以上の震源間相関直線とその傾き、およぴ幾何的中心]

15本の震源間の高相関式とその傾き・切片・(東経に対する)角度・相関係数は以下の通り。L1はほぼ完全相関でR² = 1。L4/L7はほぼ直交。


これら15本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式y = -143.27x + 39.687の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ14本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した
 15相関式から算出       GC (143.27, 39.687)
 17本の線分群から算出 GC(all) (142.93, 39.301)


その結果、幾何的中心GCは相関直線群が最多の5本が集中する#SR-5付近の南西側、GC(all)はL10沿いに3本の相関直線群が集中する#SR-7から更に南西側に位置している。

[M7.0以上の震源間相関直線L1~L15におけるパラメーターとの相関]
下表のように、追加パラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)や線分傾きΔN/ΔEを追加した。


M7以上の震源間相関直線L1~L15における以外のパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。

L1(#SR-1/#SR-3/#SR-5)…東経 vs 北緯の相関係数は1。東経 vs M、北緯 vs Mの相関係数1の完全相関。



L2(#SR-1/#SR-6/#SR-14)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 北緯差などでも高相関。特に北緯 vs 東経差ΔE は相関係数1の完全相関。






L3(#SR-1/#SR-7/#SR-12)…東経 vs 北緯の他、東経 vs 深さでも高相関。(東経 or 北緯)vs (深さ or 東経差ΔE)の4通りは相関係数が0.9997~0.9999の高相関。




L4(#SR-1/#SR-9/#SR-17)…東経 vs 北緯の相関係数1でL7と直交。

L5(#SR-2/#SR-5/#SR-16)…東経 vs 北緯の相関係数0.9997。

L6(#SR-2/#SR-6/#SR-18)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 北緯差ΔNでも高相関




L7(#SR-3/#SR-12/#SR-13)…東経 vs 北緯の他、東経差ΔE vs 北緯差ΔNでも高相関。L4と直交。#SR-13(M9.0)を含む。


L8(#SR-4/#SR-9/#SR-14)…東経 vs 北緯の相関係数0.9901。ただし、#SR-9と#SR-14が近接。


L9(#SR-5/#SR-6/#SR-8)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関


L10(#SR-5/#SR-7/#SR-10)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経差などでも高相関




L11(#SR-5/#SR-9/#SR-14)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経でも高相関


L12(#SR-6/#SR-10/#SR-11)…東経 vs 北緯の他、(東経 or 北緯) vs 北緯差ΔNなどでも高相関。東経差Δ vs 線分傾き ΔN/ΔEは相関係数1の完全相関。




L13(#SR-7/#SR-13/#SR-18)…東経 vs 北緯の他、北緯 vs 深さなどでも高相関。#SR-13(M9.0)を含む。



L14(#SR-7/#SR-14/#SR-17)…東経 vs 北緯の相関係数0.9985。

L15(#SR-13/#SR-15/#SR-16)…東経 vs 北緯の他、東経 vs 線分傾きなどでも高相関。#SR-13(M9.0)を含む。




[震源間相関とその物理的挙動の推測] 

下の図3に直交するX字型共役断層等の主要な震源ラインのみ追記したものを示す。




#SR-1~#SR-5の推移

#SR-1(M7.0)から1933年3月の昭和三陸地震M8.1(#SR-3)に至る時計回りの推移。M8.1は明治以降では2011年3月のM9.0、1896年6月の明治三陸沖地震M8.2~M8.5に次ぐ規模。#SR-1(M7.0)はM9.0(#SR-13)と同じ震源深さ20km台で、2本の高相関震源ラインL1とL4の起点となっている。L1(#SR-1/#SR-3/#SR-5)は東経 vs 北緯、東経 vs M、北緯 vs Mで完全相関
(R² =1)となっており、#SR-3(M8.1)前後で、#SR-1の深さ20km台から#SR-3/#SR-5の0km(地表の開放端)への震源推移が位置だけでなく、規模Mについても予定調和的に推移、M8.1を境に時計回りから反時計回りで一連の活動が完結している様相。太平洋プレートの反時計回りの震源推移はM9震源の原因となった太平洋プレート北部の三陸沖周辺の沈み込み面にある海山等のスタッドが支点となり、以南側のプレートに反時計回りの力が加わり続けている事がその理由と推測。
L4(傾き-66.3°)はほぼ完全相関(R² =0.9999)  で特異震源#SR-9を包含、ほぼ完全直交するL7(傾き24.0°)とX字型共役断層をなし、L7は主要なM8.1(#SR-3)/M9.0(#SR-13)を包含し、これらのX字型共役断層その後の震源推移に支配的な役割を果たしている。

#SR-5~#SR-10の推移

最多ハブ#SR-5~#SR-6の推移は#SR-5付近で、主要X字型共役断層のL4(傾き-66.3°)に平行な潜在的な断層と#SR-4/#SR-5(傾き22.7°)で形成されたX字型共役断層でエネルギーの逃げ場を失い、共役断層とほぼ45°方向(実際には約50°)の#SR-6に震源が反時計回りに推移したものと推測。この反時計回りの推移は#SR-8まで続く。#SR-9の特異震源はその特異性が示すように例外的に頑丈な構造が存在が推測され、#SR-9でのM7.1はその障壁の破壊によるモード変化を意味し、#SR-8での鋭角な折り返しは南側の空白域に沿っての推移が反時計回りから時計回りに反転したものと推測。#SR-7の20km以外は0kmで#SR-10まで推移。空白域外周の北側では#SR-3~#SR-10で0km付近の破壊が進行。

#SR-10~#SR-12の推移

#SR-10までの推移で0km付近の浅い震源の行き場を失ったエネルギーは次の地震で一気に深さ45kmの#SR-11まで推移。#SR-7以降の時計回りは空白域南側の#SR-12まで拡大。#SR-8と#SR-12の間を残すのみでほぼ周回した時点で、空白域地下のスタッドの持ち上がりを止めていた蓋が外れたような状態になり、さらには深さ方向にも亀裂が拡がったため、摺動面のスタッドが動ける状態に推移。

#SR-12~#SR-18の推移

これまでの推移で0km付近の浅い震源と#SR-11の約50kmのやや深い震源までに蓄積されたエネルギーが極限に達し、L4/L7のX字型共役断層のうち、L7上で2011年3月に#SR-12(M7.3)が発生、さらに2日後にL15との交点で#SR-13(M9.0)が発生。#SR7~#SR12 (M7.3)までは時計回りが続いていたが、#SR-13(M9.0)以降で変曲して、余震モードに変化。#SR-13~#SR-17まで再び時計回り(~2012年12月)。#SR-14は最多ハブ#SR-9の西側で北寄りの残留ストレスを開放、その後は#SR-15~#SR17まではほぼL15上を推移、M9.0後のストレス調整が一段落した所でモードが変化、L15から外れて変曲、今年4月にM7.7が深さ19kmで発生。

[Dragon chartによるエネルギー状態推移変化] 

Dragon chartは深さ毎の自然対数の度数と最大Mをプロットしたグラフで、GR則に基づく度数はMと等価の性質に基づき、各深さで度数が先行しているのか、最大Mが先行しているのかを図示することで深い場所から浅い方向のエネルギーの伝達状態も見てとれる。

下図は三陸沖エリアでの#SR-7(M7.2,20km)発生直後までのDragon chartで、80km~60kmではほぼ傾き1で互いの間隔もあり、深み方向からのエネルギーが淀みなく伝達されているが、50km~30kmへの伝達が滞っており、30kmでの規模更新も1939年のM6.9から約30年ぶりの更新でM7.2に留まっており、度数・規模も40kmと逆転している。前章の震源推移と照らし合わせると、30km/1km/10kmでの最大Mは各々1928年/1933年/1935年の#SR-1(M7.0)/
#SR-3(M8.1)/#SR-4(M7.1)での更新以降、約30年以上更新されていない。これらの更新以外のM7以上の#SR-2/#SR-5/#SR-6はいずれもDragon chartで規模が先行している1kmでの発生となっている。なお、1kmでの最大M8.1はいまだ抜かれてなく、依然として規模が先行した状態にある。

下図は2011年東日本大震災M9.0(#SR-13)および前震M7.2(#SR-12)の直前のDragon chartを示す。50kmの回数の増加と#SR-11の最大値の増加により、50km~80kmまでがほぼ傾き1の間隔の空いた分布に整列。一方、1km/10km/20kmでは最大Mは変わらず、度数のみ増加し、10km/20kmのプロットがほぼ重なり、縮退状態。そのため、10km~30kmが一直線上にあり、同期可能な状態。それ以前のM7以上の1kmでは#SR-10で蓄積エネルギーが飽和。


下図は#SR-13(M9.0)発生までのDragon chart。下図の10kmでは本震当日のM7.5(#SR-13)で上書き更新されているが、M9.0の2日前の#SR-12(M7.3)で最大M更新されて10kmの蓄積エネルギーも飽和した結果、当日の20kmでのM9.0の最大M更新に至る。最大Mの更新は最大蓄積エネルギーの更新と共に震源推移モードの変化をもたらし、それがGR則の成り立たなくさせる原因の一因とみられる。未だ10km/40kmで最大Mが50km~80kmの直線より低く、将来的に蓄積されたエネルギーにより、エネルギー伝達の停滞原因となるボトルネックを解消するように最大Mを更新する事になると予測される。







Monday, May 25, 2026

#SP12-6 茨城県沖周辺の特異震源の解析(ミクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の6番目に発生した茨城県沖M7.0の震源#SP12-6と同一グリッド、およぴ深さ違いの合わせての17震源群について、震源推移の解析を行い、特異震源との関連性やマクロ解析との関連を見出そうとするものである。なお、12の特異震源の中でも3段目は1番目の#SP12-1静岡県伊豆地方のM7.3と11番目の#SP12-11福島県沖M7.4、そしてこの#SP12-6のM7.0の3震源のみである。

[データ範囲と震源データ]

気象庁データ(1919/01-2026/01)における浦河沖の全震源を含む矩形エリアから同一グリッドおよぴ深さ違いを抽出。##1~##17の17震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源SP12-6の1~3段目初期値(##6/##8/##9)および3段目(##10)が含まれている。最大値は##9のM7.0。

[特異震源近傍の震源推移]

変曲の多いマクロでの震源推移に対し、下の図1に示すように##1~##7、##7~##9、##9~##17で反時計周り(##7、##9は変曲点)。


[特異震源近傍での震源間相関直線と幾何的中心]

震源間の高相関式と相関係数は以下の通り。L12は東経一定の震源ライン。
L1(##1/##7/##17)  y = -6.7432x + 993.6 R² = 0.9973
L2(##1/##8/##14)  y = -4.25x + 639.61  R² = 0.9954
L3(##2/##7/##9)  y = -0.5258x + 110.83 R² = 0.9991
L4(##2/##14/##16) y = -2.0756x + 330.91 R² = 1
L5(##4/##6/##12)  y = 0.4859x - 32.791 R² = 1
L6(##6/##11/##13) y = 0.2524x + 0.3634 R² = 0.9969
L7(##4/##10/##14) y = -0.4798x + 104.35 R² = 0.9974
L8(##8/##11/##15)  y = -1x + 178.17    R² = 1
L9(##5/##11##15)  y = -0.7368x + 140.81 R² = 0.9983
L10(##9/##14/##17) y = 2.8408x - 367.06 R² = 1
L11(##12/##15/##16) y = 1.2015x - 134.39 R² = 0.9971
L12(##3/##5/##6) x=142.033333333333
これらL1~L11の11本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ16本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した。ただし、GC(all)の算出に当たり、前後の震源間の東経差が0の場合は傾きが算出不能のため、2組の線分データは算出から除外している。
 11相関式から算出       GC  (141.98, 36.211)
 16本の線分群から算出 GC(all) (142, 36.191)

その結果、幾何的中心GCは##1の南東近く、GC(all)はL4と線分##6/##7の交点近くの北東付近に位置している。
震源間相関直線が最も集中しているのは##14で、次いで##6・##8・##15の3点。これらのうちの##8と##15を含む高相関直線L8(##8/##11/##15)は相相関係数 R² =1 で完全相関の y = -1x + 178.17で傾きがちょうど-1(傾き45°)となっており、12の特異震源の2段目M4.9(##8)を含んでいる。

[震源間相関直線L1~L11におけるパラメーターとの相関]

下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


震源間相関直線L1~L11におけるパラメーター間の相関高めの相関図(東経 vs 北緯 以外)を以下に抜粋した。

L1(##1/##7/##17)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 深さ、東経/北緯 vs 北緯差ΔNでも高相関




L2(##1/##8/##14)…東経 vs 北緯の他、東経/北緯 vs M、線分傾きΔN/ΔEでも高相関




L3(##2/##7/##9)…東経 vs 北緯のみ高相関(相関係数0.9991)
L4(##2/##14/##16)…東経 vs 北緯の相関係数1
L5(##4/##6/##12)…東経 vs 北緯の相関係数1
L6(##6/##11/##13)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関


L7(##4/##10/##14)…東経 vs 北緯の他、東経/北緯 vs 深さでも高相関



L8(##8/##11/##15)…東経 vs 北緯の相関係数1で傾きが-1ちょうど。
L9(##5/##11/##15)…東経 vs 北緯のみ高相関(相関係数0.9991)
L10(##9/##14/##17)…東経 vs 北緯の相関係数1の他、東経/北緯 vs 北緯差 ΔN、東経差ΔE vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関




L11(##12/##15/##16)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経/北緯、東経差 ΔE vs 北緯差 ΔNでも高相関


L12(##3/##5/##6)…東経 一定の他、日時 vs 深さでも高相関


[震源間相関直線群と傾き]

震源間相関直線L1~L11、およびL12(東経一定)の東経に対する傾きは以下の通り。

L1(##1/##7/##17) y = -6.7432x + 993.6 -81.6°
L2(##1/##8/##14) y = -4.25x + 639.61   -76.8°
L3(##2/##7/##9)        y = -0.5258x + 110.83   -27.7°
L4(##2/##14/##16)  y = -2.0756x + 330.91 -64.3° (L5と直交)
L5(##4/##6/##12) y = 0.4859x - 32.791 25.9° (L4と直交)
L6(##6/##11/##13) y = 0.2524x + 0.3634  14.2°
L7(##4/##10/##14) y = -0.4798x + 104.35 -25.6°
L8(##8/##11/##15) y = -1x + 178.17   -45.0°
L9(##5/##11##15) y = -0.7368x + 140.81 -36.4°
L10(##9/##14/##17) y = 2.8408x - 367.06 70.6°
L11(##12/##15/##16)  y = 1.2015x - 134.39 50.2°
L12(##3/##5/##6) x=142.033333333333 90.0°

下の図2にL1~L11、およびL12(東経一定)、GC、GC(all)を追加。




17の震源のうち、2つの震源の全組合せの線分群が成す角を確認した結果、線分の成す角が0°/±90°/180°の線分群と±45°/135°の線分群、さらにL1~L12の中で唯一、直交関係にあるL4/L5を追加したものを図3に示す。


L4/L5/L8はいずれも相関係数が1となっている。さらに線分の成す角が0°/±90°/180°となっている線分群に含まれない##4・##11・##14は±それぞれ##4がL5に、##11が45°/135°の線分群に、#14がL4に含まれている。前述のようにL4/L5はL1~L12の中で唯一、互いに直交関係を有する組合せとなっている。

[震源間相関とメカニズム推定]

図3のように多くの2組の震源が同経度、同緯度に位置しており、格子状構造を形成している。

フェーズI:マクロ応力の流入と局所フレームへの完全固着(1941年〜1979年)
マクロ領域でM7.3を含む東北東-西南西主せん断面(マクロL6)が固着状態にあるため、広域歪みが特異震源近傍のミクログリッドへ流入し、最適な破壊経路を「探る」フェーズ。

##1 (24km, M4.8) → ##2 (23km, M5.0)
推移: 1941年の約1時間で推移。
メカニズム: 局所アスペリティの浅発層(周縁部)にマクロ応力が到達し、初期の微小な亀裂が発生。
##2 → ##3 (79km, M6.1)
推移: 約20年後の1961年、深さ79kmの深部方向へ推移、規模もM6.1に拡大。
メカニズム: 浅部で受け止めた応力が、プレート境界面に沿って深部(スラブ内)への亀裂を形成。
##3 → ##4 (29km, M5.0)
推移: わずか10時間後、再び29kmの浅部へ折り返し(移動角度104°)。
メカニズム: 深部に形成された亀裂を介して元の深さ方向に折り返し。この急激な上下運動により、特定震源グリッド近傍のミクロ領域にマクロからのストレスが蓄積。
##4 → ##5 (40km, M4.5)
推移: 約18年間の沈黙の後、1972年に東端の壁(ミクロL12)と南端ラインの直交交点に##5が発生。
メカニズム: この18年間、マクロから流入したストレスが構造的な壁としてのL12の、特に南端コーナーに蓄積。長期の蓄積の結果、局所の「テンション・ボルト」としての張力蓄積が限界に到達。

フェーズII:ねじれ応力の極限化と最大剪断の発生(1982年7月)
マクロ構造からの押し込みにより、局所グリッド内部が反時計回りの締め付けが続いた結果、ボルトの外郭から崩壊のフェーズに移行。
##5 → ##6 (30km, M4.7)
推移: 東端の壁(L12)に沿って真北(0°方向)へ移動。
メカニズム: 壁に沿って応力が滑動し、北端の壁に到達。ここでストレスの逃げ場を失い、特異震源の一段目M4.7の破壊が発生。
##6 → ##7 (40km, M5.2)
推移: わずか約5時間後、135°の方向へ深さを増して突進。
メカニズム: 東と北の壁にロックされたねじれ応力が限界を超え、最も滑りやすい最大剪断応力方向(45°/135°系)へと内部破断が発生(L8の形成)。
##7 → ##8 (30km, M4.9)
推移: さらに約10時間後、真北(90°方向)へ変曲し、再び深さ30kmへ。
メカニズム: 剪断方向へ逃げた応力が、共役関係にある0°/90°系の制御を再度受け、特異震源の2段目M4.9の破壊が発生。3段目M7.0へ向けた軌道修正の段階に至る。

フェーズIII:テンション・ボルトの完全破断(1982年7月23日)
局所の限界破断であり、同時に「マクロ構造の安全弁の消失」を意味する。
##8 ##9 (30km, M7.0)
推移: ##8の約18時間後、180°方向(真西)へ一気にスライドし、特異震源3段目となるM7.0が炸裂。
メカニズム: 局所アスペリティの最も強固なコアの破壊。この局所空間の最大歪みの解放により、マクロ構造のL6(マクロでの主せん断面)への荷重転移を開始。
フェーズIV:局所の残骸処理と準安定化(1982年〜2008年)
ピンが吹き飛んだ後の局所グリッドが、近傍の微細クラックを介して応力開放が進行するフェーズ。
##9##10 (30km, M5.1)
推移: M7のわずか40分後、北端の壁(##6/##10)上へ27°で移動。
メカニズム: 既存の強固なフレームワーク(北端の壁)への即座な応力開放による、安定化への最初のプロセス。
##10 → ##11 → ##12 → ##13 → ##14 → ##15
推移: 反時計回り推移を維持しながら、深さを40km→47km→53km→42km→69kmと深部へシフトさせつつ、L4/L5(局所共役断層)との交点などを経由して推移。
メカニズム: マクロの主応力から解放された局所グリッドが、自らの内部に形成した「ローカルなダンパー(L4/L5の十字構造)」を用いて、残存した回転トルクを時間をかけての事後処理・吸収のプロセス。2008年の##15(69km)をもって、局所の準安定状態は一段落 。
フェーズV:巨大外部トリガーによるマクロ崩壊とミクロへの逆流入(2011年〜)
2011年3月11日のM9.0によってマクロのL6(マクロでの主せん断面)が臨界を超え、IB13でM7.6誘発、その破壊エネルギーが再びミクログリッドに流入のフェーズ。
##15 → ##16 (57km, M5.2)
推移: 東日本大震災の9日後(2011/3/20)に発生。L4およびL11のライン上に位置。
メカニズム: 1982年の系列の単なる続きではなく、マクロ領域での最大値IB13(M7.6)の巨大破壊によって茨城県沖全体の応力場が激変したことによる「逆フィードバック」。強烈な外部衝撃により、かつてのミクロな傷跡(L4/L11などの交点)に再度、滑りが発生。
##16 → ##17 (48km, M5.2)
推移: 約9ヶ月後(2011/12/5)に発生。L1およびL10の交点に位置。
メカニズム: マクロからの逆流入応力が、ミクロ空間に残されていた別の幾何学的ネットワーク(L1/L10)を最終的に刺激し、反時計回りの推移に沿って一連の局所的・広域的な応力の応答が収束方向。

[メカニズム推定まとめ(マクロ一部含む)]
① マクロからミクロへのエネルギー流入と「反時計回り」のねじれ
太平洋プレートが約24度の斜面(スラブ上面)に沿って西北西に沈み込むマクロな圧縮応力(最大主応力軸)が、領域に定常的に流入 。
特異点「#SP12-6」のミクロ領域(##1〜##17)では、このマクロ応力を受け止めた際、局所的な構造(東端の壁となるL12など)に歪みがトラップされ、空間内で「反時計回りの局所的なねじれ(トルク)」が発生 。このねじれのプロセスが、##1〜##7などの反時計回りの一方方向の回転推移として反映。
② 蓄積期から臨界期への移行(直交フレームのバトンタッチ)
蓄積期(0°/90°系の作動):
応力が徐々に溜まる時期は、地質境界に沿った構造的バウンダリ(エネルギー障壁)が優位に機能 。
極限ねじれ期(45°/135°系の作動):
ねじれが限界に達すると、最後まで歪の残った「最大剪断応力方向」へと破壊がシフト。L8(傾き-1、-45.0°ちょうど)上に現れた特異震源2段目(##8、M4.9)は、この局所的な限界突破のサイン(前震)。
③ 特異震源の破断(安全弁の作動)とマクロへの荷重転移
1982年、特異震源近傍のミクロ領域の限界到達により、特異点グリッド内で##9(=マクロ解析におけるIB11、M7.0)が発生 。
この特異震源の破断は、局所の「ストッパー」が外れたことを意味します。エネルギーは消滅したわけではなく、この特異点を端点とするマクロの相関ライン(L10)を介して、周辺のマクロ領域へ徐々に荷重転移(応力再分配)を起こし、将来の最大規模地震の発生場所(IB13周辺の結節点・ハブ)の絞り込み(ロック)が進行 。
④ 巨大外部トリガーによるマクロ破断とミクロへの逆流入(散逸フェーズ)
2011年3月11日、系外の巨大地震(M9.0)による動的応力がシステムを直撃し、限界まで歪みを溜めていたマクロの主せん断面(L6)が滑ることで、本エリア最大規模のIB13(M7.6)が誘発 。その後のミクロでの発生はそれまでの反時計回りの推移

#SP12-7 三陸沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景] 気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で7番目の三陸沖M7.1の震源#SP12-7に関連し...