Sunday, July 5, 2026

#SP12-13 岩手県沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源はこれまで12震源しか存在しなかったが、先月2026年6月の岩手県沖でのM7.2が2段目で発生し、13番目の特異震源となった。そのため、これまで12の特異震源と呼称していたが、今後は段数の特異震源と呼称し、これまで通りに発生順に#SP-* (* は連番)の略号を付与する。今回の段数の特異震源は#SP-13となる。この震源を含むマクロ的な震源域である岩手県沖エリアでのM6.5以上の解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M6.5以上)]

気象庁データ(1919/01-2026/06)における岩手県沖の全震源を含む矩形エリアからM6.5以上を抽出。#IW-1~#IW-17の17震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内には岩手県の段数の特異震源#SP-13 (#IW-17)だけでなく、三陸沖での#SP-7 の2段目M7.1(#SR-9/#IW-7)も含まれている。


[M6.5以上の震源推移]

下の図1に示すように#IW-1~#IW-5までは反時計周り、#IW-5で反転、#IW-4~#IW-7では時計周り、#IW-7で再反転、#IW-6~#IW-14まで再び反時計回り、#IW-7で反転、#IW-13~#IW-15まで時計回り、#IW15でほぼ反転折り返して延長線上の#IW-16へ推移。#IW-15~#IW-17までは時計周り。#IW-7が段数の特異震源の7番目の#SP-7、先日の段数の特異震源の13番目#SP-13が#IW-17。なお、#IW-10~#IW-13は2011年の東日本大震災当日の余震群であり、#IW-14~#IW-16も2011~2012年に発生の余震群と見られる。今回の#IW-17は当エリアでの約15年ぶりのM6.5以上の震源となっている。


[M6.5以上の震源間相関直線とその傾き、およぴ幾何的中心]

前記17震源を直線で結ぶ12本の震源間の高相関式とその傾き・切片・(東経に対する)角度・相関係数は以下の通り。4震源を含む場合、より相関係数の高い組合せを採用した。

L4~6・L8はほぼ完全相関でR² = 1。他にもL3・L11の相関係数も0.9998~0.9999で完全相関に近い。L1(27.8°)/L10(26.8°)はほぼ平行。三陸沖のの段数の特異震源#IW-7を含む高相関直線はない。


これら12本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式y = -142.32x + 39.262の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ16本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。

 12相関式から算出       GC (143.32, 39.262)
 16本の線分群から算出 GC(all) (142.57, 39.577)

最後の震源#IW-17を含む唯一の相関直線L12を除く、11相関式による幾何的中心をGC0、最後の線分#IW-16/#IW-17を除く線分間の幾何的中心をGC0(all)とすると各々の座標は以下の通り。
 11相関式から算出       GC0 (142.02, 39.119)
 16本の線分群から算出 GC0(all) (142.58, 39.815)

高相関直線群とこれらの幾何的中心の座標群も図2に追加した。


その結果、幾何的中心GCは相関直線L5上の#IW-12の真北付近、GC(all)は相関直線L5上の線分#IW-5/#IW6と線分#IW13/#IW-14が交差する付近に位置している。
直近の段数の特異震源#IW-17の影響を除いたGC0、GC0(all)からはそれぞれ大きく推移しており、GC0→GCは大きく南西方向に、GC0(all)→GC(all)はほぼ真北に推移。GC0(all)は#IW-6~#IW-10で囲われた北側の四角形エリアの南側の底辺(線分#IW-6/#IW-7)付近、GC(all)は#IW-4~#IW-7で囲われた三角形エリアの底辺付近に位置している。

[M6.5以上の震源間相関直線L1~L12におけるパラメーターとの相関]

下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


M6.5以上の震源間相関直線L1~L12における東経vs北緯以外のパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。

L1(#IW-1/#IW-2/#IW-8)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9982。他の高相関はなし。

L2(#IW-1/#IW-3/#IW-4)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9989。他の高相関はなし。

L3(#IW-1/#IW-12/#IW-15)…東経 vs 北緯の相関係数は0.9998。他に日時vsMでも相関係数1の高相関だが、#IW-12/#IW-15のMが同じため。


L4(#IW-1/#IW-10/#IW-15)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。その他に東経/北緯 vs 北緯差ΔNも高相関。


L5(#IW-1/#IW-8/#IW-11)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。他の高相関はなし。

L6(#IW-2/#IW-14/#IW-15)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。他の高相関はなし。

L7(#IW-3/#IW-6/#IW-14)…東経 vs 北緯の相関係数0.9979。その他、東経 vs 東経差ΔNでも高相関。

L8(#IW-4/#IW-5/#IW-14)…東経 vs 北緯の相関係数1の完全相関。その他、東経/北緯 vs Mでも高相関。


L9(#IW-4/#IW-9/#IW-13)…東経 vs 北緯の相関係数0.9999。#IW-17を入れた4震源の相関でも相関係数は0.9994(IW-9とIW-17が近接しているため)。3震源では東経/北緯 vs 東経差ΔEでも高相関。



L10(#IW-5/#IW-10/#IW-12)…東経 vs 北緯の他の相関係数0.9972。#IW-10/#IW-12は北緯が近接しており、日時 vs 北緯の高相関はそれが原因の可能性もあり。北緯差ΔN vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関。


L11(#IW-8/#IW-13/#IW-15)…東経 vs 北緯の他の相関係数0.9999。その他、日時  vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関。


L12(#IW-10/#IW-16/#IW-17)…東経 vs 北緯の他の相関係数0.9992。その他、日時  vs Mでも高相関。

[震源間相関とその物理的挙動の推測] 

第1期:#IW-1 〜 #IW-5 外郭形成
【期間】1928年 〜 1968年(約40年間) / 軌跡:反時計回り
個別震源の挙動
エリア北東の#IW-1(1928年、M7.0)に続き、南西部の#IW-2(1931年、M7.2)が発生。
その後、再び北東の#IW-3(1935年、M7.1)、#IW-4(1960年、M6.7)、そして西側の#IW-5(1968年、M7.2)へと、エリアの外郭をなぞるように反時計回りのループを形成。
駆動メカニズム
この時期は、未成熟で均一化されていない断層面に対し、プレートの沈み込み帯が「面全体の歪みキャパシティ(枠組み)」を構築していたフェーズ。 数理的には、北側バウンダリであるL1障壁(角度27.8°)の起点(#IW-1, #IW-2)がこの時点で強固にロックされ、エリア内のエネルギーが外側に逃がさない構造的な「外壁」を形成。
第2期:第1の反転と臨界化フェーズ(#IW-5 〜 #IW-7)
【期間】1968年 〜 1989年(約21年間) / 軌跡:時計回りへの第1反転
個別震源の挙動
1968年の#IW-5(M7.2、深さ20km)をピボット(回転軸)として、それまでの反時計回りから時計回りへと反転。
応力は深部へと急降下し、地殻深部72kmの#IW-6(1987年、M6.6)へと推移。
そのわずか2年後、今度は一転してプレート最浅部(深さ0km)での#IW-7(1989年、M7.1)の三陸沖の段数特異点#SP-7が発生。
駆動メカニズム
#IW-5での反転は、水平方向の応力分配が限界に達し、垂直方向(Z軸)へ応力が転進した状態。深部72km(#IW-6)から極浅部0km(#IW-7)への「垂直推移」は、地殻を上下に貫く断層セグメントの伝達パスの連結形成を反映。
特に#IW-7(#SP-7)という特異点の出現は、システム全体が単なるエネルギー蓄積状態から、連鎖破壊の臨界モードへの移行に対する物理的シグナル。
第3期:広域トリガーによる強制的整列フェーズ(#IW-7 〜 #IW-14)
【期間】1989年 〜 2011年(約22年間) / 軌跡:再反転と巨大連鎖(反時計回り)
個別震源の挙動
長いM6.5クラスの静穏期間後、2011年3月11日の東日本大震災(M9.0)の外部からのメガトリガーにより、システムは強制的に再反転。
地震当日のわずか数時間の間に、#IW-10(M6.5、29km)、#IW-11(M7.4、32km)、#IW-12(M6.6、17km)、#IW-13(M6.7、24km)がドミノ倒しのように連続発生。
翌日には#IW-14(M6.6、15km)がエリア南西部で発生。
駆動メカニズム
アスペリティの自然な力学的飽和を待たず、M9.0の超巨大な歪み変化(荷重)により、システムは強制的に「既存の幾何学的レールを高速で埋める」状態に移行。ランダムに推移したように見える震源群は、実際には相関係数1の完全線形のL4(#IW-1/#IW-10/#IW-15)およびL5(#IW-1/#IW-8/#IW-11)に位置した震源群を中心に推移。事前に設計されたようにL4/L5の「地殻の溝(ガイドレール)」に沿って位置している震源群は整列。
第4期:秩序再編と最新特異点フェーズ(#IW-15 〜 #IW-17)
【期間】2011年後半 〜 2026年(約15年間) / 軌跡:時計回りへの再編
個別震源の挙動
大震災直後の混乱期を経て、#IW-15(2011年11月、M6.7)、#IW-16(2012年、M6.6、52km)へと推移し、軌跡は再び時計回りへシフト。
そして、前回のM6.5以上から約15年間の長い沈黙(幾何学的エネルギー充填)を経て、2026年6月に深層部(44km)で最新の#IW-17(M7.2)の段数特異点#SP-13が発生。
駆動メカニズム
#IW-17の物理的役割は、大震災(第3期)が残した広域的な歪みの「不整合」を事後調整し、システムを定常状態へ戻す復元・再ロックモードとみられる。 数理的には、#IW-17は東日本大震災当日の#IW-10および2012年の#IW-16とを結ぶ縦方向のL12(角度-85.4°、R²=0.9992)によって拘束。これにより、幾何学的中心はGC0から南西のGC(143.32, 39.262)へと大きく推移。北側の浅部ブロックに残留していた応力は44kmの深部の段数の特異震源へと「荷重転嫁」され、エリアを幾何学的な安定へと収束。

その他、L8(#IW-4/#IW-5/#IW-14)における東経/北緯 vs Mの相関係数0.9998やL9(#IW-4/#IW-9/#IW-13)の相関係数0.9999~1の縛りもあり、地震発生はランダムではなく、予定調和的に発生していることを伺わせる。

#SP12-13 岩手県沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景] 気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源はこれまで12震源しか存在しなかったが、先月2026年6月の岩手県沖でのM7.2が2段目で発生し、13番目の特異震源と...