Wednesday, January 28, 2026

#SP12-1 静岡県伊豆地方の震源(北伊豆地震)の解析

 12の特異点その1  北伊豆地震の解析を進めていきます。

[マクロ的解析]

1930年の北伊豆地震M7.3は該当グリッド(東経139.0度北緯35度深さ1km)では、2段目の初期値M3.7から3段目M7.3に一気に増加しています。このギャップを説明するには周辺の大きな地震からの波及効果(ドミノ効果と呼んでいます)なしには説明がつきません。

そのため、特異点近傍のミクロな解析の前に周辺のマクロな解析を簡単に進めたいと思います。下図は気象庁有感地震データベースで伊豆地方および1919年の関東地震(関東大震災震源)を含む四角い矩形エリア内でM6.7以上の震源とそのリスト、震源推移のグラフです。



1923年の関東地震から次の伊豆大島近海M6.8以降では伊豆半島東方沖以降M6.7まで、逆時計回りで大きな三角形のエリアを囲むようにループを描いています。逆時計周りの三角形エリアを囲む同様の推移は壱岐・隠岐の震源群12の特異震源群にも見られています。

また、M7.9に比較的近い震源ではM7.3の同規模の地震に対して、離れたところではM6.7~M6.9と少し小さめの地震規模となっています。

各震源グリッドの段数はM7.9に最も近い丹沢地震M7.3の1段目、次に発生の北伊豆地震M7.3震源グリッドは2段目M3.7からの3段目で、2つのM7.3がいずれもM7.9からドミノ式に誘発されたプロセスが見てとれます。さらにドミノは駿河湾(伊豆半島南端石廊崎付近)M6.9の1段目を誘発します。そこから伊豆大島近海M7.0、近くの伊豆半島東方沖M6.7のいずれも2段目を誘発しています。

伊豆大島に近いエリアでは1930年北伊豆地震M6.8の3段目、1978年伊豆大島近海M7.0の2段目、伊豆半島東方沖M6.7の2段目、と規模更新されており、M6.7~M7.0のレンジで周辺グリッドの最大Mがドミノ連鎖的に上昇している様子がわかります。

M7.9から離れたM6.8への最初の波及は周辺グリッドに分散して蓄積していたエネルギーがドミノのように集約、時間差で伝わったエネルギー伝達であり、M6.8から始まり、近傍のほぼ同規模のM6.7でループを「一周して規模が戻る」現象は、系全体のエネルギー保存や、地殻内の応力バランスが均衡し、安定化するプロセスを可視化したものと言えそうです。1980年のM6.7以降で今回解析した矩形エリアでのM6.7以上の地震発生は現時点でありません。

2段目M3.7から3段目M7.3への急増についてのマクロ的プロセス解析が済みましたので、次はいよいよ12の特異震源の1つ、北伊豆地震近傍の解析へと移行します。

[ミクロ的解析]

グリッドの地下方向での相互作用を確認するために特異グリッドの深さ1kmだけでなく、深さ方向のグリッドに解析範囲を拡げます。

同一グリッド経度・緯度の地震総数は42件で、そのうちの0kmの震源は11件、1kmは7件、その他は1~4件なので、一番浅い0kmから階層別に解析していきます。

0kmのグリッドのリストと東経北緯の震源推移グラフ




不明(ラベル無色)から3連続で不明が続いた後、M3.8に南下、黄色ラベルの不明以降からは逆時計周りに進み、M3.6で四角いエリアが閉じた後、M3.2まで時計回りに北上。以降では青ラベルのように南西方向になだらかに推移パターンに変化が見られます。

次に東経に対する規模Mの推移を確認しました。

赤線上の3点の相関部です。相関係数は0.9992とかなり高くなっています。

東経の移動に伴ってマグニチュードが一定の割合での変化は、断層面上の応力分布(あるいは摩擦特性)に極めて均質な勾配の存在を反映している可能性があります。


次に北緯に対する規模Mの推移を確認しました。


赤線上の各3点2組の相関部です。M3.6の震源を共有しており、相関係数は正の傾き/負の傾きで各0.9998/0.9985とかなり高くなっています。さらに驚くべき事に相関係数の高いこれらの2組はM3.2/M3.6/M3.8の組合わせも同じになっています。

2つの線形な震源群がクロスし、かつ特定のマグニチュードを共有している事実は、この特異点直上深さ0kmにおける応力場が、数学的に極めて厳密な幾何学構造を持っていたことを示唆しており、そこが「2つの異なる構造的ライン(断層系や応力軸)」の接点であることを意味します。 更に共有震源M3.6は、東経方向のエネルギー勾配と北緯方向のエネルギー勾配が完全に一致する「不動点」のような役割を果たしていた可能性があります。

M3.2/M3.6/M3.8の組合わせが同じである事は東経方向と北緯方向で、全く同じ「エネルギーの減衰(または増幅)」が同期して起きていたことになります。



1kmのグリッドのリストと東経北緯の震源推移グラフ
 いよいよ特異点グリッドの1kmの解析に入ります。震源深さ1kmの特異点グリッドの震源数は7件です。段数の赤字は各段の初期値です。1930年11月16日の##1-01の規模不明に始まり同年12月14日の##1-07のM4.4までのごく短い期間に集中しています。
 



東経北緯の震源推移では0kmだけでなく、1kmにおいても不明の震源から台形状のエリアを囲むようにほぼ逆時計回りのループが発生始点近傍でループが閉じた付近で北伊豆地震M7.6が発生、次は同じく逆時計周りですが、大きく台形状のエリアから外れて南南東に推移しています。

1km層の震源推移が描く「ループ」は、まさにアスペリティ(固着域)の輪郭をなぞる動きであると解釈できます。

0km同様に東経に対する規模Mの推移を確認しました。0kmでは1組の相関しか確認できなかったのに対して、0kmの北緯同様に1つの震源を共有する2組の高相関の震源群が確認できました。さらに驚くことに2組の震源群(##1-03~1-05)および(##1-05~1-07)で、それぞれの相関係数は前者が1、後者も0.9993と高い係数となっています。7つの震源のみでしかも1震源は規模不明なので実質6つの震源で2組の1ないし1近くの高相関があるのは偶然ではありえません。


上図の相関部を抽出した図を以下に示します。

M3.6は特異点グリッドの1段目初期値、M3.7は2段目初期値で、相関係数1の相関直線上のM3.2/M3.4と続いた後、一気にM7.3の北伊豆地震まで拡大した軌跡が明確に示されています。


最後に0km/1kmの震源推移を重ねた図を以下に添付します。


以下、geminiによる12の特異震源である#SP12-1 北伊豆地震のメカニズム解釈です。

完全には理解が追い付いておらず、正誤のチェックは完全にはできていません。悪しからず。

北伊豆地震近傍のメカニズム

深さ0kmで発生した2回のM3.8(11月25日と11月26日)は、「幾何学的な枠組み(外枠)」を、24時間かけて構築するプロセス**において決定的な役割を果たしていました。

1. 0km層における2回のM3.8の区別と役割

1回目:1930年11月25日(前日) M3.8(深さ0km)

    ◦ 役割: 0km層の相関図における「負の傾き」の直線の起点。

    ◦ 意味: 本震の約24時間前に、特異点グリッドにおける最初の「最大負荷点」を配置し、南北および東西の応力勾配の端点を決定しました。

2回目:1930年11月26日(当日) M3.8(深さ0km)

    ◦ 役割: 0km層の相関図における**「正の傾き」の直線の起点。

    ◦ 意味: 本震当日の活動において、1回目(前日)のM3.8と対をなす「もう一つの最大負荷点」を配置しました。これにより、後の解析で示される「X字型のクロス構造(ネジ締め構造)」の外枠が完成しました。

2. 時系列再編:0km層から1km層への連動

2回のM3.8を区別することで、特異点が「特異点」として完成するまでの動的なプロセスがより鮮明になりました。

1. 枠組みの設置(11月25日): 前日のM3.8(0km)によって、地表付近の「歪みの境界条件」が一つ設定されます。
2. 対角軸の完成(11月26日早朝):当日のM3.8(0km)が発生し、前日の点と対をなすことで、グリッド内を「挟み込む」幾何学的な準備が整います。

3. 精密な収束(11月26日 01時〜04時前): その後、M3.6(共有震源)やM3.2といった震源が、構築されたM3.8同士の軸に沿って「大きい順」かつ「対称的」に発生し、グリッド内の遊びを完全に排除しました。

4. 1km層での本震発現(11月26日 04:02): 0km層での「ネジ締め(クロス構造)」が完了し、地表側が不動の「蓋」となった直後、エネルギーの逃げ場が1km下の層へと転嫁されました。ここで1km層のM3.8(基準値)と同時に**M7.3(3段目)**が発生しました。

補足説明

・震源深さ0kmと1kmでは数値的に大差ないように見えますが、0kmは波に対して解放端になっている違いがあります。

・震源の逆時計回りはマクロでもミクロでも確認され、地震特性のフラクタル性を示唆しています。

今回、震源深さが1kmの地震に対する解析でしたが、次回は震源深さ37kmの解析なので今回とは違う知見が得られる事を期待しています。

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