Thursday, June 25, 2026

三陸沖周辺の特異震源の解析(ミクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で7番目の三陸沖M7.1の震源#SP12-7に関して、緯度経度は共通グリッドの深さ違いの15震源について解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と特異点近傍震源データ(#SP12-7との深さ違いグリッド)]

気象庁データ(1919/01-2026/05)から#SP12-7との深さ違いグリッドの15震源のデータを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-7 の1段目/2段目の初期値M4.8(##7)/M7.1(##11)も含まれている。なお、##11までは2011年の東日本大震災より以前、#12~#15が以降となっている。


[特異点近傍の震源推移]

下の図1に示すように##1~##9までは時計周り、##-9で反転、##9~##14では反時計周り、##14で変曲し、##15に至る。##7が特異震源#SP12-7の一段目、##11が二段目。


[特異点近傍の震源間相関直線とその傾き、およぴ幾何的中心]

10本の震源間の高相関式とその傾き・切片・(東経に対する)角度・相関係数は以下の通りで図1の震源間推移に赤線で重ね書きしたものを図2に示す。L1はほぼ完全相関でR² = 1。L1/L5はほぼ平行、各々特異震源の一段目と二段目を含むL10/L8はほぼ直交。なお、共に図示されたGCとGC(all)については後述する。



これら10本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式 y = -143.13x + 39.88の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ14本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した
 10相関式から算出       GC (143.13, 39.88)
14本の線分群から算出  GC(all) (143.13, 39.895) 
ただし、##6/##7は同一東経であり傾きの分母が0となるため、GC(all)の計算から除外しており、実際は13本からの算出。
その結果、幾何的中心GCはL1/L4の交点の北東付近、GC(all)はL2~L4およびL8に囲まれた領域に位置しており、最多5本の相関直線群が集中する##5に対して、それぞれ東側と南側に位置している。

[震源間相関直線L1~L10におけるパラメーターとの相関]

下表のようにパラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)、線分切線分傾きΔN/ΔEを追加した。


特異震源近傍の震源間相関直線L1~L10におけるパラメーター間の相関高めの図(東経 vs 北緯 以外)を以下に抜粋した。

L1(##1/##4/##5)…東経 vs 北緯のみ高相関で、相関係数は1。

L2(##1/##3/##15)…東経 vs 北緯のみ高相関で、相関係数は0.9963。

L3(##2/##3/##5)…東経 vs 北緯の他、東経/北緯 vs 深さでも高相関。



L4(##2/##9/##10)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 深さでも高相関。


L5(##2/##9/##12)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経/北緯でも高相関。



L6(##3/##4/##6/##11)…東経 vs 北緯では4震源間の高相関(R² = 0.9999 )。3震源ではその他の高相関もあり。


L6(##4/##6/##11)…東経 vs 北緯は完全相関(R² = 1)の他、日時 vs M、東経/北緯 vs 北緯差でも高相関。



L6(##3/##6/##11)…東経 vs 北緯 の高相関以外に、日時 vs M、東経/北緯 vs 北緯差でも高相関。





L6(##3/##4/##11)…東経 vs 北緯のみ高相関(R² = 0.9999 )。

L6(##3/##4/##6)…東経 vs 北緯の高相関以外に、東経/北緯 vs Mでも高相関。



L7(##5/##7/##9)…東経 vs 北緯のみ高相関で完全相関(R² =1 )。

L8(##5/##10/##11)…東経 vs 北緯の高相関以外に、東経/北緯 vs M、東経/北緯 vs 東経差ΔEでも高相関。





L9(##6/##12/##14)…東経 vs 北緯のみ高相関で完全相関(R² =0.9998 )。

L10(##7/##12/##13)…東経 vs 北緯のみ高相関で完全相関(R² =0.9980 )。

[震源間相関とその物理的挙動の推測] 

2震源間線分でもL1・L5に水平・垂直な直交系の下表の線分群があり、もう1つの直交系L8/L10、4震源を含むL6が震源推移の主要骨格を成しており、その他の震源相関直線を省略したものを図3に示す。



 ■前半サイクル:時計回りのエネルギー分散と深度上昇(##01 〜 ##08)

【Step 1】##1 → ##2 → ##3 → ##4 (1960年3月〜1963年10月)
震源の推移:  最も深い領域(深さ30km・M5.7)の##1から開始し、##2(19km)→ ##3(6km)→ ##4(2km・M4.3)へと、時系列に沿って狭い範囲で浅部へと突き上げる急激な深度上昇(上昇リレー)を伴って、東経北緯平面の三角形の領域を囲う時計回りの移動 。
拘束メカニズム: ##1と##4は、最多の相関直線が集中するハブ的な震源##5とともに、完全相関ライン L1(相関係数  = 1、角度76.3°)を形成 。  ##02と##03は、##05とともに L3(角度-19.7°)を形成し、このL3上では東経北緯平面だけでなく「東経/北緯 vs 深さ」でも相関係数 0.9978の高い相関で3次元的に線形拘束されており、L1とL3は96.0°と直角に近い角度で交差、とくにL3上の線分##2/##5(角度-14.0°)であり、L1との角度は90.3とほぼ直交。さらに線分##3/##4はその南西側の##6[Step2]/##11[Step3]へ相関係数0.9999で伸びるL6に拘束されている。
物理的解釈: 深部(30km)での極大値M5.7(##1)によって生じたストレスが、L1とL3の特定の物理的レールに沿って急速に上方移行し、最浅部(2km)の##4に達して一旦このエリアのストレスが開放された 。

【Step 2】##4 → ##5 → ##6 → ##7 → ##8 (1963年10月〜1970年9月)
震源の推移:  最浅部##04に達した後、東経北緯平面上で時計回りの軌道を維持しつつ南下、幾何学的中心GCの北側にあるハブ震源##5:17km、更に##06:20kmへと再沈降 。その後、##6から急激に最浅部の特異震源(0km・M4.8)の##7へと上昇、再び東側の##8(14km)へと沈降・推移 。[Step 1]の三角形を囲う時計回りの推移に対して、約3倍の面積の四角形の領域を囲う時計回りの推移。
拘束メカニズム: やや浅い(17km)##05は全体推移の軸的な役割を果たしており、L7(##5/##7/##9、角度-46.0°)はごく浅い(0km)特異震源##7を幾何学的に拘束、さらに深部領域##09(25km)をも拘束している(##9は[Step3])。
物理的解釈:  浅部での狭い範囲での弱い部分での破壊が進んで表層でのストレス遷移が一段落後、ストレスは系の構造的中心のやや浅い(17km)のハブ震源(##5)に回帰、深部領域20kmの##6で浅部~深部のストレス蓄積が限界に達し、深部から一気に地表付近の開放端でもある特異震源1段目の##7(0km深さ)でストレスを開放(M4.8) 。##8への遷移は、[step2]の時計回りサイクルの始点##4近くの東端へ戻っていくプロセス 。 

 ■ 中盤サイクル:反転・収束と特異震源2段目M7.1の発現(##8 〜 ##11)

【Step 3】##8 → ##9 → ##10 (1970年9月〜1974年2月)
震源の推移: ##8から南側のハブ#5(17km)近くの深部領域##9(25km)へ移行、##5~##9でほぼ四角の領域が閉じる「反時計回り」への軌道反転が発生 。その後、L4(##2/##9/##10)に沿って、更に深い##10(27km)へと推移 。
 拘束メカニズム: L4(角度53.6°)は##2/##9/##10の各震源の東経北緯を拘束するだけでなく、深さも日時と共に線形で深くなる線形で拘束(相関係数0.9938)。
物理的解釈:  1960年以来続いたごく浅い~やや浅い震源深さでの時計回りのクローズドな応力巡回が限界に達し、系全体の幾何学的底面(25〜27kmの深部プレート境界)へストレスがが集中・蓄積したプロセス 。時間軸と深度が同期(L4)しながら反転・収束へ向かう##11のM7.1への準備期間 。  

【Step 4】##10 → ##11 (1974年2月〜1989年11月(特異震源2段目M7.1))
震源の推移:  約15年間の長い静穏期(エネルギー蓄積期間)を経て、系の南西端かつ最浅部(0km)において、本グリッド最大の特異震源 ##11で(M7.1、段数2)発生 。
拘束メカニズム: ##11は、最多4震源を高相関0.9999で結ぶ L6(##3/##4/##6/##11、角度40.3°)および L8(##5/##10/##11、角度23.4°)の交点。L6が東経北緯だけでなく、##4以降では「日時 vs M」が相関係数1の完全相関で拘束されており、##11の発生日時は予定調和的に決定されており、場所についてもL8との交点近くと1つ手前の##10発生時点でほぼ拘束されていた。
物理的解釈: [Step2]の##7 同様、約15年かけて時計回りで囲われた東部領域の浅部~深部に蓄積されたエネルギーが限界に達し、行き場を失ったその前の深部##10(27km)から一気に南東端の地表付近の特異震源2段目の##11(0km深さ)でストレスを開放(M7.1)。中心軸的な##05を支点として、東部の浅部~深部に蓄積されたエネルギーが南西端のアスペリティ(##11)へ一気に集中し、M7.1の巨大なアスペリティ破壊(特定震源グリッド2段目)に至った 。 

■ 後半サイクル:M7.1後の反時計回りによる再調整と変曲(##11 〜 ##15)

【Step 5】##11 → ##12 → ##13 (1989年11月〜2026年4月)
震源の推移:  ##11のM7.1後、2011年東日本大震災の超巨大応力変化を跨ぎ、約35年以上の時間をかけてL10に沿って、##12(19km)、さらに北西の##13(16km)へ推移 。##8以降で##14まで反時計回りで推移。##15で変曲。
拘束メカニズム: ##12は、過去の反転起点である##2、##9とともに L5(角度76.4°)を形成 。このL5は、前半の急上昇ラインL1と「ほぼ平行」であり、図3に示したようにL1/L5と垂直な線分が多数あることからこの領域では構造的にこれらの直交直線群の格子状断層群が潜在的に存在、震源推移と共に主要な南北のストレス伝達の震源ラインがL1からL5に推移したと推測される 。L5上では「日時 vs 東経/北緯」が 高相関(相関係数0.9916)で時間とともに南東へ等速推移 。##13は、特異震源1段目(##7)、ポストM7.1震源(##12)とともに L10(角度-64.5°)を形成し、これはL8(##10/##11を含む)と「ほぼ直交」
物理的解釈:  ##11および東日本大震災によって系の応力バランスが大きく更新された後、大震災以降(##12〜)のストレスは、かつてのL1と平行な「新・並行ルート(L5)」を等速で移動しながら、特異点1段目の応力軸(L10)を逆行・刺激する形で、反時計回りにエネルギーを再配分 。  
【Step 6】##13 → ##14 → ##15 (2026年4月〜2026年5月:直近の急激な変動)
震源の推移:  2026年に入り、##13から2週間で西側の##14(17km・M5.4・段数2)へシフトし、さらに12日間で最西端の##15(16km・M4.9)へと変曲・横移動 。  
拘束メカニズム: ##14は、##6、##12とともに L9(角度-41.7°)によって線形拘束(相関係数 0.9999)。最近の到達点##15は、初期の##1、##3とともにL2(角度11.0°)のライン上に拘束され、系の西端に至る。  
物理的解釈: 反時計回りの過程で ##11のM7.1が発生、余震として#11を含むL8にほぼ垂直な##7を含むL10上の#12/#13に再配分。#12以降では中心軸#5(17km)とほぼ同じ深さの19~16kmで推移、20km台を中心に再チャージに推移。M7.1の準安定化の過程で#14まで続いた反時計回りが中断し、#15に至る。

■ 結論(メカニズムの総括)
この15震源の推移メカニズムは、単なるランダムな群発地震ではなく、「L1/L5の平行断裂スリット」と「L8/L10の直交応力軸」という、グリッド内にあらかじめ存在する幾何学的な構造骨組み(スキャフォールド)に沿って、応力が時計回り・反時計回りに流動する循環システムとみなされる 。

Tuesday, June 9, 2026

#SP12-7 三陸沖周辺の特異震源の解析(マクロ的解析)

 [背景]

気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で7番目の三陸沖M7.1の震源#SP12-7に関連して、マクロ的な震源域である三陸沖でのM7.0以上の解析を行い、特異震源との関連性を見出そうとするものである。

[データ範囲と震源データ(M7.0以上)]

気象庁データ(1919/01-2026/04)における三陸沖の全震源を含む矩形エリアからM7.0以上を抽出。#SR-1~#SR-18の18震源データを得て、これらを対象に解析を行う。このエリア内に12の特異震源#SP12-7 の2段目の初期値M7.1(#SR-9)も含まれている。



[M7.0以上の震源推移]

下の図1に示すように#SR-1~#SR-3までは時計周り、#SR-3で反転、#SR-3~#SR-5では反時計周り、#SR5で屈曲、#SR-5~#SR-8まで再び反時計回り、#SR-8で反転、#SR-8~#SR-12まで時計周り、#SR-12で屈曲、#SR-12~#SR-17で再び時計周り、屈曲して#SR-18に至る。#SR-9が12の特異震源の7番目、#SR-13がM9.0の東日本大震災の震源。

[M7.0以上の震源間相関直線とその傾き、およぴ幾何的中心]

15本の震源間の高相関式とその傾き・切片・(東経に対する)角度・相関係数は以下の通り。L1はほぼ完全相関でR² = 1。L4/L7はほぼ直交。


これら15本の相関式の傾きと切片の相関式から得られるメタ相関式y = -143.27x + 39.687の傾きと切片から震源群の幾何的中心の座標GCが得られる。一方、時系列に連続した2つの震源を結ぶ14本の線分群から得られる幾何的中心をGC(all)とすると各GCは以下の通り。それらの座標も図2で追加した
 15相関式から算出       GC (143.27, 39.687)
 17本の線分群から算出 GC(all) (142.93, 39.301)


その結果、幾何的中心GCは相関直線群が最多の5本が集中する#SR-5付近の南西側、GC(all)はL10沿いに3本の相関直線群が集中する#SR-7から更に南西側に位置している。

[M7.0以上の震源間相関直線L1~L15におけるパラメーターとの相関]
下表のように、追加パラメーターとして、一つ前のM7の地震との線分の傾き(北緯差ΔN/東経差ΔE)や線分傾きΔN/ΔEを追加した。


M7以上の震源間相関直線L1~L15における以外のパラメーター間の相関高めの図を以下に抜粋した。

L1(#SR-1/#SR-3/#SR-5)…東経 vs 北緯の相関係数は1。東経 vs M、北緯 vs Mの相関係数1の完全相関。



L2(#SR-1/#SR-6/#SR-14)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 北緯差などでも高相関。特に北緯 vs 東経差ΔE は相関係数1の完全相関。






L3(#SR-1/#SR-7/#SR-12)…東経 vs 北緯の他、東経 vs 深さでも高相関。(東経 or 北緯)vs (深さ or 東経差ΔE)の4通りは相関係数が0.9997~0.9999の高相関。




L4(#SR-1/#SR-9/#SR-17)…東経 vs 北緯の相関係数1でL7と直交。

L5(#SR-2/#SR-5/#SR-16)…東経 vs 北緯の相関係数0.9997。

L6(#SR-2/#SR-6/#SR-18)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 北緯差ΔNでも高相関




L7(#SR-3/#SR-12/#SR-13)…東経 vs 北緯の他、東経差ΔE vs 北緯差ΔNでも高相関。L4と直交。#SR-13(M9.0)を含む。


L8(#SR-4/#SR-9/#SR-14)…東経 vs 北緯の相関係数0.9901。ただし、#SR-9と#SR-14が近接。


L9(#SR-5/#SR-6/#SR-8)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 線分傾きΔN/ΔEでも高相関


L10(#SR-5/#SR-7/#SR-10)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経差などでも高相関




L11(#SR-5/#SR-9/#SR-14)…東経 vs 北緯の他、日時 vs 東経でも高相関


L12(#SR-6/#SR-10/#SR-11)…東経 vs 北緯の他、(東経 or 北緯) vs 北緯差ΔNなどでも高相関。東経差Δ vs 線分傾き ΔN/ΔEは相関係数1の完全相関。




L13(#SR-7/#SR-13/#SR-18)…東経 vs 北緯の他、北緯 vs 深さなどでも高相関。#SR-13(M9.0)を含む。



L14(#SR-7/#SR-14/#SR-17)…東経 vs 北緯の相関係数0.9985。

L15(#SR-13/#SR-15/#SR-16)…東経 vs 北緯の他、東経 vs 線分傾きなどでも高相関。#SR-13(M9.0)を含む。




[震源間相関とその物理的挙動の推測] 

下の図3に直交するX字型共役断層等の主要な震源ラインのみ追記したものを示す。




#SR-1~#SR-5の推移

#SR-1(M7.0)から1933年3月の昭和三陸地震M8.1(#SR-3)に至る時計回りの推移。M8.1は明治以降では2011年3月のM9.0、1896年6月の明治三陸沖地震M8.2~M8.5に次ぐ規模。#SR-1(M7.0)はM9.0(#SR-13)と同じ震源深さ20km台で、2本の高相関震源ラインL1とL4の起点となっている。L1(#SR-1/#SR-3/#SR-5)は東経 vs 北緯、東経 vs M、北緯 vs Mで完全相関
(R² =1)となっており、#SR-3(M8.1)前後で、#SR-1の深さ20km台から#SR-3/#SR-5の0km(地表の開放端)への震源推移が位置だけでなく、規模Mについても予定調和的に推移、M8.1を境に時計回りから反時計回りで一連の活動が完結している様相。太平洋プレートの反時計回りの震源推移はM9震源の原因となった太平洋プレート北部の三陸沖周辺の沈み込み面にある海山等のスタッドが支点となり、以南側のプレートに反時計回りの力が加わり続けている事がその理由と推測。
L4(傾き-66.3°)はほぼ完全相関(R² =0.9999)  で特異震源#SR-9を包含、ほぼ完全直交するL7(傾き24.0°)とX字型共役断層をなし、L7は主要なM8.1(#SR-3)/M9.0(#SR-13)を包含し、これらのX字型共役断層その後の震源推移に支配的な役割を果たしている。

#SR-5~#SR-10の推移

最多ハブ#SR-5~#SR-6の推移は#SR-5付近で、主要X字型共役断層のL4(傾き-66.3°)に平行な潜在的な断層と#SR-4/#SR-5(傾き22.7°)で形成されたX字型共役断層でエネルギーの逃げ場を失い、共役断層とほぼ45°方向(実際には約50°)の#SR-6に震源が反時計回りに推移したものと推測。この反時計回りの推移は#SR-8まで続く。#SR-9の特異震源はその特異性が示すように例外的に頑丈な構造が存在が推測され、#SR-9でのM7.1はその障壁の破壊によるモード変化を意味し、#SR-8での鋭角な折り返しは南側の空白域に沿っての推移が反時計回りから時計回りに反転したものと推測。#SR-7の20km以外は0kmで#SR-10まで推移。空白域外周の北側では#SR-3~#SR-10で0km付近の破壊が進行。

#SR-10~#SR-12の推移

#SR-10までの推移で0km付近の浅い震源の行き場を失ったエネルギーは次の地震で一気に深さ45kmの#SR-11まで推移。#SR-7以降の時計回りは空白域南側の#SR-12まで拡大。#SR-8と#SR-12の間を残すのみでほぼ周回した時点で、空白域地下のスタッドの持ち上がりを止めていた蓋が外れたような状態になり、さらには深さ方向にも亀裂が拡がったため、摺動面のスタッドが動ける状態に推移。

#SR-12~#SR-18の推移

これまでの推移で0km付近の浅い震源と#SR-11の約50kmのやや深い震源までに蓄積されたエネルギーが極限に達し、L4/L7のX字型共役断層のうち、L7上で2011年3月に#SR-12(M7.3)が発生、さらに2日後にL15との交点で#SR-13(M9.0)が発生。#SR7~#SR12 (M7.3)までは時計回りが続いていたが、#SR-13(M9.0)以降で変曲して、余震モードに変化。#SR-13~#SR-17まで再び時計回り(~2012年12月)。#SR-14は最多ハブ#SR-9の西側で北寄りの残留ストレスを開放、その後は#SR-15~#SR17まではほぼL15上を推移、M9.0後のストレス調整が一段落した所でモードが変化、L15から外れて変曲、今年4月にM7.7が深さ19kmで発生。

[Dragon chartによるエネルギー状態推移変化] 

Dragon chartは深さ毎の自然対数の度数と最大Mをプロットしたグラフで、GR則に基づく度数はMと等価の性質に基づき、各深さで度数が先行しているのか、最大Mが先行しているのかを図示することで深い場所から浅い方向のエネルギーの伝達状態も見てとれる。

下図は三陸沖エリアでの#SR-7(M7.2,20km)発生直後までのDragon chartで、80km~60kmではほぼ傾き1で互いの間隔もあり、深み方向からのエネルギーが淀みなく伝達されているが、50km~30kmへの伝達が滞っており、30kmでの規模更新も1939年のM6.9から約30年ぶりの更新でM7.2に留まっており、度数・規模も40kmと逆転している。前章の震源推移と照らし合わせると、30km/1km/10kmでの最大Mは各々1928年/1933年/1935年の#SR-1(M7.0)/
#SR-3(M8.1)/#SR-4(M7.1)での更新以降、約30年以上更新されていない。これらの更新以外のM7以上の#SR-2/#SR-5/#SR-6はいずれもDragon chartで規模が先行している1kmでの発生となっている。なお、1kmでの最大M8.1はいまだ抜かれてなく、依然として規模が先行した状態にある。

下図は2011年東日本大震災M9.0(#SR-13)および前震M7.2(#SR-12)の直前のDragon chartを示す。50kmの回数の増加と#SR-11の最大値の増加により、50km~80kmまでがほぼ傾き1の間隔の空いた分布に整列。一方、1km/10km/20kmでは最大Mは変わらず、度数のみ増加し、10km/20kmのプロットがほぼ重なり、縮退状態。そのため、10km~30kmが一直線上にあり、同期可能な状態。それ以前のM7以上の1kmでは#SR-10で蓄積エネルギーが飽和。


下図は#SR-13(M9.0)発生までのDragon chart。下図の10kmでは本震当日のM7.5(#SR-13)で上書き更新されているが、M9.0の2日前の#SR-12(M7.3)で最大M更新されて10kmの蓄積エネルギーも飽和した結果、当日の20kmでのM9.0の最大M更新に至る。最大Mの更新は最大蓄積エネルギーの更新と共に震源推移モードの変化をもたらし、それがGR則の成り立たなくさせる原因の一因とみられる。未だ10km/40kmで最大Mが50km~80kmの直線より低く、将来的に蓄積されたエネルギーにより、エネルギー伝達の停滞原因となるボトルネックを解消するように最大Mを更新する事になると予測される。







三陸沖周辺の特異震源の解析(ミクロ的解析)

 [背景] 気象庁の有感地震全データを東経北緯を0.1度単位深さを1km単位のグリッドに分けた場合、M7以上の震源、かつ段数2段目あるいは3段目以上のグリッド震源は12震源しか存在せず、12の特異震源と呼んでいる。その中の発生順で7番目の三陸沖M7.1の震源#SP12-7に関して...